2014-10-11

ソーシャルゲーム開発者のもつ罪悪感

「先月は売り上げ○億円達成!、今月は△億円目指してがんばりましょう」なんて経営者から話を聞くたびに悲しい気分になる。

この人達は、分かっていない。何も分かっていないな。

現在日本ソーシャルゲームほとんどは、ガチャという凶悪ギャンブル要素が組み込まれており、売り上げの大部分を占めている。

偉そうな人が、「このゲームマネタイズ戦略は〜」とか言ったところで、結局ガチャである

ある日の俺。

おもむろにターミナルを起動して、ゲームサーバー接続

 tail -f access.log | grep purchase_hoge

入力

リアルタイム課金情報が画面に出力されるコマンドで、誰かが課金すると表示が1行増える。

「ああ、これが△億円目指してコツコツと積み立てられているのか」

ガチャ確率アップや割引なんかがあると、その表示速度も速く、ゲーム内の勢いを感じながらも、エラーが発生していないかをチェックする。

短い間隔で同じユーザー課金ログが表示されているな。と気づいたが、直前に新SRカードが追加されていたことを思い出して、ふと、ユーザーガチャ履歴データベースに問い合わせ。

「かなり引いてるな・・・

これだけやったなら、さすがに当たっていてほしい。と、今度はソート条件にカードIDを加えて検索

他のSRはあるものの、今回追加されたSRは出ていない様子。見事にゴミばかりである

そもそも、確率はいくつだ。と、確率を設定しているファイルを開く。

うわー(どん引き)

とは言えだ、期待値を上回る回数引いているんだよな。まさか・・・

(設定がきちんとゲームに反映されてないのか?)

(システムバグか?)

心配になって、今度はカードIDを使って検索

(いや、ちゃんと出てるな)

と、どうやら当たりを引いたユーザーはいるようで一安心

ついでに、今度は当たりを引いていたユーザー履歴検索

(まじか、一発で引いてる・・・)

これが運か。分かってる、運だよな。

その間にも、最初ユーザーガチャ履歴ゴミで埋まっていく。

もう、やめてくれー。

これ、引くに引けないパターンのやつや!(ガチャは引いてるけど)

もし当たりが出たとしても、課金額を知ったとき絶望以上の幸福は得られないだろう。

(もう、このユーザーは当たりが出るように設定しよう)

(いや、そんな仕組み入れてないぞ)

(じゃあ、先ほど引いたゴミカードを当たりに書き換えようかな)

(まずい、それじゃクレーム来たら大変なことになる)

(でも、より良いものになったのにクレームなんてしないはず)

(いやいや、そもそもデータを書き換えるなんてだめだろ)

など考えているうちに課金は止まった。当たりは出ていない。

彼(もしくは彼女)の気持ちを察すると、心が痛い。

もうこんな気持ちはたくさんだと、そっとターミナルを閉じる。

「先月は売り上げ○億円達成!、今月は△億円目指してがんばりましょう」なんて経営者から話を聞くたびに悲しい気分になる。

そのお金で食べる飯はうまいか?

俺はまずいよ。

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