2014-07-22

ペースメーカースマホ電車内のマナーの話。

3連休最終日の昨日、旅行から帰宅中、

電車の中での出来事


特に席を譲る必要のある人が周囲に見当たらなかった為、

はいくつか空いていた優先席の1つに腰掛け、本を読んでいた。


しばらくすると、突然くぐもった男の人の大きな声で

ペースメーカーが入っています携帯を使わないでください!」

と聞こえ、驚いた僕は本を落としてしまった。


顔を上げると、初老の男の人が胸を押さえてハァハァと息を切らしながら、

かいの席に座っていた青年スマホの使用を止める様に訴えていた。


周囲の人も「え?なになに?」と顔を見合わせ、

言われたであろう青年はバツが悪そうに携帯(スマホ)をしまった。


次の駅に着く。乗り込んできた人の内、数人はスマホをいじっている。

当たり前だ。今の日本スマホをいじっている乗客がいない電車なんてありえない。


するとまたその男性は、

携帯を使わないでください!以前倒れたことがあります!」と、

なにやら証明書のようなカードをホラ、ホラと言わんばかりに周囲に見せていた。


僕はなんだかなぁ。と居たたまれない気持ちで、特に携帯を使っていないにも関わらず、

その席を離れた。それ以上そこにいたくなかったから。


僕は以前からこの手の話に興味があり、自分なりに調べたことがあった。

その時に得た情報に拠れば、以前の携帯電話(所謂movaなど2Gと呼ばれた携帯)で

使用されていた電波には微弱ではあるが、ペースメーカーへの影響が認められていた。


ペースメーカー等の医療機器の誤作動に繋がるため・・・」


という車内アナウンスが聞かれたのもこの頃だ。

しかし、気がつくと最近は上記の文言を聞くことはない。

それは何故か。


現在使用されている携帯電波(3G、4GLTE)の電波、またはモバイルWifi等の電波は、

ペースメーカーへの影響が認められていないからである。これは、

現行で使用されているペースメーカーに対して行われた検証に基づく結果であり、

総務省公式ホームページで発表している。


更に言えば、過去の実例(携帯2G以前の時代も含む)で、携帯電波が原因で起こった

ペースメーカー誤作動による死亡事故件数は"ゼロ"。

気分が悪くなった。という例はあったものの、『倒れた』等の重大な事故もないのである


そういったことを知っていたからこそ、僕はその初老男性が哀れに思えて仕方がなかった。

「倒れたことがある」と言う話は恐らく作り話であるし、嘘つき、とまでは言わないが、

胸を押さえて苦しそうにするのも「先入観による勘違い」に過ぎないと思ったからだ。


一方で、彼のような人を作り出しているのは鉄道会社各社をはじめとする社会では?とも思う。

いつまでも必要以上に車内での携帯電話の使用を制限することによって、

こういった人たちに必要以上の恐怖を与えていることは、否めないんじゃないだろうか。

通話問題は別として、今この時代に車内の携帯電話使用を制限する明確な理由はあるのだろうか。


確かに、僕自身電車内の人が一様にスマホをいじっている光景を見て、異様に思うことはある。

しかし一昔前(今も一部の人では)はそれが、新聞文庫本だっただけであり、それが電子機器になると

アレルギーを感じ、ヒステリーを起こすのは理に適ってないと思う。そういう人に対する、

正しい知識の提供教育を行わずして進めている昨今の「地下鉄でも電波が入る!」等の

インフラ整備は、こういった問題助長するだけなのではないだろうか。


時代・人・技術が変わればマナーも変わる。今やらなくてはいけないことは、

現代にそぐわないマナーの見直しを行い、誰もがハッピーになれる

「正しい・理屈の通ったマナー」をしっかりと提示することではないのだろうか。

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