2009-04-29

女の子の進路に保守的な親(予備軍)が誕生する瞬間

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子供女の子だったら同じ学科に入れたい」

某大に生息する理系30代既婚女だが、最近ちょうどこれについて考えてた。以前は、本人が好きで、適性もあって、好きなことを仕事にして機嫌よく生きていけるんだったらこういう道もいい、こちらから薦めはしないけど本人が選択したら応援してあげたいと思っていたけど、今は反対したい気分だ。

同時進行中の痴漢の話じゃないけど、学内で性絡みの事件が多過ぎる。そして圧倒的に男性社会なので公にすることも出来ず、当事者が一人で耐えるしかない状況がある。世の中は女に甘いじゃないかと言われそうだが、セクハラ争議を起こした当事者がそのままの場所に留まることは出来ない。声を挙げると将来が閉ざされる最後の手段なので、そうそう行使することはない。大体、それが起こるのが問題なのに、起こった後の処罰が厳しくても本人の役には立たない(似たような事件を防止する見せしめの効果があるかもしれないので、不特定多数の人の役に立つかもしれないが、本人の役には立たない)。

自分一人分の事例だけ考えても、高校大学の間に、こんなことがあった。

(なお、他人の事例を勝手に書いてよいものかと思って自分の分を書くだけで、漏れ伝わる学内の話を聞くに似たようなものである。)

  • 自転車サドルがよく無くなる。校外では無くならないのに校内では無くなる。
  • ジャージを盗まれて、股のところに白いものが着いた状態で返ってくる。
  • ハンカチが無くなって、白いものが着いた状態で返ってくる。
  • ジャージハンカチタオルの類がよく無くなる。
  • 押し倒されて、押さえつけられた状態で下半身を触られる(同級生・未遂)。
  • 時間実験などで研究室で仮眠をとっているときに、胸や下半身を触られる(先輩)。
  • 前の日に綺麗に洗って帰ったコップの口のところが、翌朝何故か唾液くさい(何日も続く)。
    • 念のため書くが、これらは全部バラバラの時間・場所で起こっていて、たまたま悪質な人間が一人いたでは片付けられない問題です。ある程度の数の人間がいたらこういうことは起こるものだと世のお父さん方は覚悟しておいてください。

この辺までが直接的な事例であり、パターン学習して自衛するか、ものが無くなる系などはある程度の頻度で起こるのは仕方ないと割り切ってきた。

しかし、なかなか割り切れない事例もあった。

  • 自分の欠席した研究室ゼミで、プロジェクタに繋ぐPC壁紙が、研究室旅行の際に撮られた(ことにそのときは気づいていなかった)自分水着写真になっていて、プレゼンプレゼンの合間に水着写真(座り姿のアップ)が大写しになり、くすくす笑いが漏れる。誰もそれをおかしいと思わないし、止めさせない。翌日ふざけた感想を述べてきたメンバーがいて、そのことを知る。
  • 研究室メンバーの一人で、ふと立ち止まったときなどに、なにかとやたら距離が近い。肩や髪の毛などに触れる。止めろというと一時おさまるが、また再発する。この人は女なら誰に対してもそうしていて、それを隠そうともしなかった。あまりにも堂々とやるので、却って注意しにくかった。
  • 自閉傾向のある(診断済)後輩の指導担当になる。距離感がおかしく、手元を覗き込もうとして結果的に胸に触れそうなくらい顔を近づける動作をたびたび行う。注意してもまた起こる。
  • 同じ後輩だが、なにかやたらと慕ってくる。彼のハンディキャップを考えると平均的な後輩よりも丁寧に指導すべきだが、上記の癖と性的な興味が強くそれを隠さない普段の様子から、その先のことを考えてしまい怖くて出来ないジレンマに陥る。自己嫌悪に陥りカウンセリングに通う。
  • 似たような例でもっと軽いパターンとして、こちらは普通クラスメート研究室の一員として接しているのに、彼らにとっては会話を交わす女は自分だけという状況から誤解が生じつつあるらしいことに気づく。その状況を続けて誤解を加速させるわけにはいけないから、不本意だが疎遠にする。自己嫌悪に陥る。このパターンは毎年繰り返される。
    • 前段の直接的な事例群と違ってこれらは、明確にアウトな行為があったわけでもないし、意図のすれ違いだったり、受け手(私)の自意識過剰だったり、防衛しようとして相手を傷つけてしまったことも多いのだろう。ネットでこのような行動に傷ついた男性の声を見かけるたびに胸が痛い。しかしながら、身近な顔の見える事例であること、しかも防衛のため他人を傷つけること自体に傷つく(傷つけられた側から見たら、全く勝手な言い草だと思う。本当に本当にすみません)点で、これらの事例の方が直接的な事例よりも辛かった。
    • 長く書いてすみません。本当はもっとあるんですが、とにかくこういうグレーが一杯あるということで。

一件一件は理系でなくても起こりうる、ありふれた出来事なのだと思う。しかし、偏った男女比のせいであまりにも一人に集中してしまうところが理系の問題なのだ。一件一件は耐えられる事例でも、連続で起きると耐えられなくなる。周囲もまたかという反応になり、余計孤立する。この状況は過酷過ぎる。これが、自分の娘には理系の進路は薦められないと思う理由である。世の中には知らなくてもいいことがある。自分たまたま知ってしまったわけだが、最初からこのことを知っていたら、あえて愛する者を飛び込もうとさせるだろうか。これが頭の固い世の大人達の正体なのではないだろうか。彼らは狡猾なので、なにがあるか直接言わずに、悪い虫が・・・なんてあやふやな言葉で誤魔化しているだけかもしれない。

最後に、関連で意外な変化があったので書いておきたい。

20代くらいまではこういったことにはひたすら耐えるのみで目を瞑って全力で駆け抜けて来たが、30代に入って子供を持つことを意識するようになって、性が生殖行為であることを実感するようになって、一気に耐えられなくなった。ある意味、若い頃は実感がないために耐えられたが、今は耐えられなくなっている。周囲からは、若い子だってそんなに騒がないのにオバサンが必死でみっともないと映るだろうか。こういった嫌悪感というものが生殖に深く結びついていることを自分の身を通して知った経験談のひとつとして読んで頂ければ幸いである。

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