本書は、2010年に『美談の男 冤罪 袴田事件を裁いた元主任裁判官・斎藤典道の秘密』を親本にして、新章と「特別付録」を加えた完全版である。
話は、2023年3月に東京高裁が袴田事件の再審開始を決定し、同年7月10日に静岡地裁が「袴田さんが犯人」と主張する立証方針を明らかにした時点までで終わっている。その後、本年2024年9月26日、静岡地裁は袴田氏に再審無罪判決を言い渡し、10月9日に検察官が上訴権を放棄し、同判決が確定した(日本弁護士連合会)。袴田氏の逮捕・起訴から再審無罪判決が出るまでどうして58年もの時間がかかったのか。
本書には、無罪を確信しながら死刑判決文を書いた元エリート裁判官の波瀾万丈の生涯が、清濁合わせ懇切丁寧に描かれている。この死刑判決文さえなかったならば袴田さんの長い刑務所暮らしはなくてすんだであろうだけに、それを書いてしまったことに対する斎藤元裁判官の悩み・苦しみは筆舌に尽くせないものであったようだ。
人が人を裁くという制度がある限り誤審・誤判は避けられない。再審制度の見直しとともに、死刑制度を廃止することの必要性を強く感じた。
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【完全版】袴田事件を裁いた男――無罪を確信しながら死刑判決文を書いた元エリート裁判官・熊本典道の転落 単行本 – 2023/8/21
尾形 誠規
(著)
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こんなデタラメな証拠で人を有罪にするのは、それも死刑にするなんて無茶だ。当時30歳だった裁判官の熊本は異議を唱えるが、2人の先輩裁判官に押し切られ、最終的には多数決で負けて、心にもない「死刑判決文」を書くことになる。
熊本は懊悩し、裁判官を辞めて酒におぼれ、家族を崩壊させ、自殺未遂をし、やがて行方不明となってしまう。ところが事件から40年が経った頃、突然マスコミの前に現れて「あの裁判は間違っていた」と語りだす。その姿をテレビや新聞は大きく取り上げ、海外のメディアからも勇気ある発言、良心的な判事だと、その行動を賞賛する報道が相次いだ。
しかし取材を重ねていくと、「良心ある告白をした美談の男」とは別の、もう一つの顔があることが、だんだんと分かってくる。そして熊本自身も「この話を決して美談にしてはいけない」と著者に念を押すようになる……。熊本の本心は何なのか。償いなのか、それとも売名行為なのか?
完全版では、2014年3月27日、静岡地裁が再審決定をして、袴田さんが東京拘置所から釈放された以降の出来事を取材する。熊本がついに袴田巌さんと面会できたときのこと、2020年に福岡県の病院で亡くなった熊本のこと、2023年、東京高裁の再審開始決定のことなどについて、熊本の親族、弁護団、支援の会の人々、袴田さんや姉の秀子さんに再取材して、熊本典道の人生について再び考える。
「解説」は、江川紹子氏。「特別付録」では、佐藤優氏のコラム、朝日新聞取材班の記事、静岡地裁の元裁判官で2014年に再審を決定し袴田さんの拘置を停止した村山浩昭氏や東京高裁の元裁判官・木谷明氏の講演録を転載する。これらを読めば、袴田事件は、私たちに何を問いかけているのかが分かる。
※「完全版」は、2014年3月、静岡地裁が第二次再審請求で再審決定した後、検察が即時抗告した後の出来事を取材し、巻頭の口絵のほか、新章として「完全版まえがき」「Ⅹ さらに九年後」を付け加えました。江川紹子氏の解説は「完全版のための追補」を加筆、巻末には「特別付録」として、佐藤優氏のコラム、朝日新聞の記事、村山浩昭元静岡地方裁判所判事と木谷明元東京高裁判事の講演録を転載しました。
熊本は懊悩し、裁判官を辞めて酒におぼれ、家族を崩壊させ、自殺未遂をし、やがて行方不明となってしまう。ところが事件から40年が経った頃、突然マスコミの前に現れて「あの裁判は間違っていた」と語りだす。その姿をテレビや新聞は大きく取り上げ、海外のメディアからも勇気ある発言、良心的な判事だと、その行動を賞賛する報道が相次いだ。
しかし取材を重ねていくと、「良心ある告白をした美談の男」とは別の、もう一つの顔があることが、だんだんと分かってくる。そして熊本自身も「この話を決して美談にしてはいけない」と著者に念を押すようになる……。熊本の本心は何なのか。償いなのか、それとも売名行為なのか?
完全版では、2014年3月27日、静岡地裁が再審決定をして、袴田さんが東京拘置所から釈放された以降の出来事を取材する。熊本がついに袴田巌さんと面会できたときのこと、2020年に福岡県の病院で亡くなった熊本のこと、2023年、東京高裁の再審開始決定のことなどについて、熊本の親族、弁護団、支援の会の人々、袴田さんや姉の秀子さんに再取材して、熊本典道の人生について再び考える。
「解説」は、江川紹子氏。「特別付録」では、佐藤優氏のコラム、朝日新聞取材班の記事、静岡地裁の元裁判官で2014年に再審を決定し袴田さんの拘置を停止した村山浩昭氏や東京高裁の元裁判官・木谷明氏の講演録を転載する。これらを読めば、袴田事件は、私たちに何を問いかけているのかが分かる。
※「完全版」は、2014年3月、静岡地裁が第二次再審請求で再審決定した後、検察が即時抗告した後の出来事を取材し、巻頭の口絵のほか、新章として「完全版まえがき」「Ⅹ さらに九年後」を付け加えました。江川紹子氏の解説は「完全版のための追補」を加筆、巻末には「特別付録」として、佐藤優氏のコラム、朝日新聞の記事、村山浩昭元静岡地方裁判所判事と木谷明元東京高裁判事の講演録を転載しました。
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2023/8/21
- 寸法1.4 x 12.8 x 18.8 cm
- ISBN-104022519282
- ISBN-13978-4022519283
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2023/8/21)
- 発売日 : 2023/8/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4022519282
- ISBN-13 : 978-4022519283
- 寸法 : 1.4 x 12.8 x 18.8 cm
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- 2024年11月7日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2023年10月28日に日本でレビュー済み「解説」は、江川紹子氏。「特別付録」では、佐藤優氏のコラム、朝日新聞取材班の記事
- 2024年9月26日に日本でレビュー済みAmazonで購入袴田事件をはじめとして、たくさんの〈冤罪〉と言われている事件があります。
何故、冤罪が起きるのでしょうか。出自や思想によって、
犯人であるシナリオが作られているのでしょうか。
人の人生、命をこんな扱いをして許されるとは思いません。
この著書は袴田事件を軸に、当時裁判官のひとりだった熊本判事の人生を辿っています。彼もまた犠牲者のひとりなのでしょう。とっても苦しく、重い読書になりました。
- 2024年7月21日に日本でレビュー済みAmazonで購入290頁の写真。この一枚だけでも1冊購入しておきたい。同写真は『デコちゃんが行く』(静岡新聞社)244頁にももう少し鮮明なものがありますし、映像でも紹介されています。ただ、本書では、同写真に至るまでに、たとえば、218頁「……Kさん。みんな、うらやましいっておっしゃってましたよ。」といった質問とそれに答えるK氏の人となり、またK氏のまわりの人との様子が描かれたうえで出会うことになる。ここでレビューしておいてなんだが、ぜひ最初から読んだうえで出会ってほしいなあと感じた。裁判員裁判制度の導入により、わたしたちも、刑事裁判で判断する側に立つ可能性をもつことになった。著者の取材と執筆に感謝したい。
- 2025年2月28日に日本でレビュー済み袴田事件の第一審で、無罪を確信しながら死刑判決文を書いた熊本典道元裁判官の人生を追ったものである。袴田事件は昨年やっと、再審無罪判決が確定した。本書で読み応えがあるのは、「解説」と「特別付録」である。冤罪事件を生んでしまう裁判所の不甲斐なさと、冤罪を晴らすための再審制度の高い壁について、記事、講演録により問題が提起されている。特に木谷明氏の「優秀な裁判官がなぜ間違えるのか」では、人権派の裁判官でさえ証拠の捏造を見抜けないことが元裁判官の方の口から語られており、絶望的になる。袴田事件がまた一つの契機となって、裁判官の意識が変わっていくことは、期待できるのだろうか。
- 2023年11月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入あまりにも数奇な運命の交差点となっているこの事件。それぞれの人生を思い何度もため息が出ました。
「真実」は、それがどんなに酷いものであれ、物事をあるべき方向に進め、最終的には人を癒していくものだと感じました。
技術の進歩により、簡単に掴めるようになったと思いかけた「真実」は、やはり人には決して知る事はできない神の領域のままです。
取材を重ね、丁寧に人の話を聞きまとめる事で、そんな「真実」の輪郭を浮かび上がらせたこの本は、本当に素晴らしい本だと思います。
感情を揺さぶられ、葛藤しながらも、常に冷静さを保ちながら取材を重ね、丁寧に人の話を聞いて記録していく著者の誠実な人柄が、この本の要となっています。
裁判員裁判制度が導入され、死刑判決になりうる事件を一般市民が裁くことになった今、全ての人にとって読むべき価値ある本だと思います。
事件はいよいよ再審開始。間に合うか。間に合ってくれ!!
- 2025年2月15日に日本でレビュー済み「ニュースでよく目にするようになったな」──。袴田事件に対しての自分が持っていたイメージはそれほどのものでした。
そんな自分が本書を手に取って感じたのは、裁く側もまた人間なのだということ。人間だから間違えるし、人間だから周りに流されもする。そんな不完全な人間が人間を裁かざるを得ないという法廷の前提に、謙虚に立ち返ることの大切さを教えられた気がします。
一つの事件を通し、人間に備わった様々な限界を多面的に知ることができる一冊でした。
- 2023年9月10日に日本でレビュー済みノンフィクションのテレビ番組は良く見るが活字のノンフィクションは苦手という人はこの本を読んで欲しい。
読者はテレビを見るような感覚で筆者とともに一人の人間の真実に迫ることができる。
無実を確信しながらも袴田事件で死刑判決文を書かなければならなかった裁判官熊本。
なぜそんなことになってしまったのか?
そして39年経って判事としては異例の自ら誤りを告白、
そんな父親に理解はしながら最後までゆるせない娘。
ノンフィクションながら決して堅い文章ではないので一気に引き込まれます。
俺の話を美談にしないでくれ、と熊本氏は筆者に言います。
その言葉に筆者は逡巡しながらも熊本氏の私生活の破綻をどんどん暴いていきます。
家族から昔の友人まで筆者のしつこいくらいの取材からだんだん浮き上がってくる、人間熊本の姿。
美談ではない部分も確かに書かれているが、読後に浮かび上がってくるのは、
熊本氏が一生をかけて守ろうとした法の精神みたいなものがあったんじゃないかなという事です。
読めば裁判制度の仕組みや法曹界の知識も自然と理解できるノンフィクションとしても面白いが、
人間模様も感じる文学作品のようでもあり、まるで良質の映画を見たような気分になりました。
この本は鉄人社から書籍「美談の男」として発売され、その後朝日新聞出版から文庫「袴田事件を裁いた男」として発売、
そして今回単行本「完全版 袴田事件を裁いた男」として出版されている。
出版社を変え、形を変えながら3度に渡って出版されるのはこの本はもっと売れてしかるべきと思う関係者が多いからだと思う。
自信を持って勧めることができる1冊です。