栽監督が良くも悪くも人々を惹きつけるのは、それは極端な人物だったからであろう。
極端な情熱、愛情は凡人には理解し難く、不器用な人生となった。
実は本書を読むまでは、栽監督といえば大野倫を潰した沖水の鬼監督としか認識していなかった。
確かに、それこそ力づくで生徒達を引っ張ったかもしれないが、生徒を潰した暴力監督ととらえるにはあまりにも表面的過ぎた。
本書では、戦後の沖縄の厳しい環境の中で、沖縄の未来だけを見つめてひたむきに邁進した栽監督の人生を、膨大な取材量で、その場面場面が目に浮かんでくるような、一冊の本でまとめるにはもったいない程の豊かな内容となっている。
沖縄の方、野球ファンの方だけでなく、広く多くの方に是非おすすめしたい一冊です。