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『三つの対立(後編)③』三橋貴明 AJER2014.4.15(3)
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「WiLL (ウィル) 2014年 06月号 [雑誌]
」に「移民亡国論 移民で成功した国はない」を寄稿しました。
台湾に来ています。もっとも、本当に来ただけで、本格的な取材は本日からなのですが。
さて、台中サービス貿易協定をめぐる立法院占拠はひと段落していますが、今度は「反原発」で大揺れになっている台湾でございます。
『台湾第四原発、工事停止へ 住民投票終了まで
http://www.asahi.com/articles/ASG4W5RS4G4WUHBI01Z.html
台湾の馬英九(マーインチウ)総統は27日、建設停止を求める動きが強まっている第四原発について、安全検査を行って住民投票で稼働の是非を決めるまで、工事をとめる方針を決めた。だが、投票時期や成立のハードルをめぐっては政権と反対派の間で意見の違いが残っている
第四原発をめぐっては、著名な民主活動家の林義雄・元民進党主席が建設停止を求めて22日から断食に入り、改めて関心が高まっていた。27日には、建設停止を求める数万人が台北駅前の幹線道路に座り込んで交通をマヒさせ、政権は対応に追われていた。
馬政権は第四原発を稼働させなければ電力不足に陥るとし、原発を完工させて住民投票にかけるとしていた。だが、この日の与党・国民党の会議で、同原発1号機の安全検査だけを進め、その上で住民投票をすることを決め、一定の譲歩を見せた。ただ、台湾電力によると、1号機は工事を基本的に終え、安全検査の一環として試運転中。2号機は工程の約96%を終えた段階だが、反対派には「現状を追認しただけ」との受け止めもある。(後略)』
台湾のエネルギー自給率は、原発を入れても2.2%程度に過ぎず、原発を省くと1%を割り込みます。
【台湾のエネルギー自給率の推移(原子力発電を除く)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_45.html#Taiwan
原発を含めても、エネルギー供給の97.8%が輸入依存で、LNGの輸入が毎年10%強の勢いで増え続けている台湾において、原発反対運動が展開されているのです。
台湾の建設中の第四原子力発電所(新北市)は、2016年にも商業運転が始まる見通しでした。ところが、福島第一原発の事故後に野党や住民からの建設反対の声が強まり、結局とは建設凍結。建設を再開するか否かを将来的に「住民投票」にかけることになりました。
わたくし共一行が台北を訪れたとき、まさにそのタイミングで民進党や住民による数万人規模の建設反対デモが展開されていました。第四原発の1号機は、すでに建設が完了しているにも関わらず、稼働しません。96%建設が進んだ2号機も、工事中断。
第四原発は改良型のBWRで、日立や東芝など、多くの日本製設備を採用していました。
馬政権は、
「第4原発の建設を中止すればエネルギー不足に陥る」
と、説明しており、建設続行や稼働の是非を問う住民投票を実施する予定だったのですが、何しろ台湾は今年の11月末に統一地方選挙を控えています。さらに、16年初めには総統選挙があるわけで、政治的に「原発を争点にしたくない」という話になり、建設凍結で幕引きになりました。
もちろん、
「原発を動かさずに、いかにエネルギーを供給するのか。エネルギー安全保障はどうなるのか」
といった議論は、置き去りです。
原発によるエネルギー供給が増えない場合、台湾は日本以上に電気料金の高騰、貿易黒字の縮小というリスクに直面することになります。さらに、中国が海上輸送路(シーレーン)を封鎖するような事態になれば、経済活動がストップします。台湾と日本は、怖いほどに「安全保障上のリスク」を共有しているのです。
ところで、上記の事実を知り、わたくしが何を思ったかと言えば、
「中国から台湾に、パイプラインを引いて、天然ガスを供給するといった話はないのか」
でした。
ロシア-ウクライナのケースでも分かりますが、エネルギー自給率が極端に低い台湾に、中国が大陸からパイプラインで天然ガスを供給するようになったら・・・。台湾が中国供給の天然ガスに、経済を全面的に依存するようになったら・・・。
移民の話と無関係に、近い将来(それほど遠くない将来)、台湾は中国に飲み込まれることになるでしょう。
などと考えていたら、本当にありました。
『2013/11/06 中国の天然ガスを台湾へ、中台企業家が提案[資源]
https://news.nna.jp/free/news/20131106twd011A.html
中国と台湾の企業家が経済交流の拡大について話し合う「2013年両岸企業家紫金山峰会」が4日、中国・江蘇省南京市で開幕し、台湾海峡にパイプラインを敷設し、福建省厦門(アモイ)市から台湾・新竹市に天然ガスを輸送する提案が行われる見通しであることが分かった。5日付工商時報が伝えた。(後略)』
記事では、
「中台の企業家がともに、建設費用を分担する用意があるという。」
とありますが、少なくとも中国側の「企業家」は、中国共産党の管理下にあることは疑いありません。
台湾の事例を知れば知るほど、「エネルギー安全保障」や「外国人労働者」について、軽々しく政策を進めてはならないことが分かります。特に、「脱原発」や「外国人労働者(あるいは外国移民)導入」について「軽々しく」賛成している日本国民の皆様に、各国における様々な「現実」を知って欲しいと思うわけです。
エネルギー安全保障や外国人労働者について、もっと真剣に議論しよう!に、ご賛同下さる方は、
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