アメリカで中学のころテニスチームに所属していて毎年の US OPEN TENNIS(ジミー コナーズ、ジョン マッケンロー、ビヨン ボルグ、イヴァン レンデル、クリス エバート、マルチナ ナブラチロヴァ、ステッフィ グラフの時代)が最高の楽しみでしたが、今年は男子で錦織圭がベスト4。。。そしてなんと女子では大坂なおみが優勝。。。

すごい。
本当に大変な快挙です!!
当時はこんな時代が来るとは想像もしていませんでした!

ただ、違う意味でもこんな時代が。。。と考えさせられてしまいました。。。

確かにセリーナ ウイリアムズの試合中の言動は問題でした。トッププレイヤーがラケットを叩きつけて破壊したり、何度も審判に声を荒げて抗議する姿は子どもには見せたくないと親や指導者なら感じたでしょう(しかも、試合後にセリーナのコーチが違反行為を認めたので審判は正しかったのです)。

しかし、試合中は熱くなるもの。また、激しいトップ選手は過去にもいました(まだあれぐらいならマッケンローの方が何倍も激しかったですね 笑)。

本当に問題なのは試合後のトロフィーセレモニーだったと思います。

まず、最初のイントロダクションから驚きました。
ESPNの司会者が “ナオミの時間ですが、話題の中心はいつもセリーナですね” から始まり、バトンを受けたMCは「『US』オープンのセレブレーションにようこそ」と、あえて悲しそうな表情で『US』を強調し、ブーイングを誘発しているかのようにも見えました。またブーイングが続くのを数秒間も放置。

 


『この顔で放置 笑』

そして主催者のUSTA会長のカトリーナ アダムス。
会場の雰囲気に感化されたのかもしれませんが、

お祝いの冒頭スピーチで
“Perhaps it’s not the finish we were looking for today”  (私達の期待した結果じゃなかったかもしれないけど) って。。。
公平な立場であるべき貴方がそれを言ってはおしまいでしょう!

そしてセリーナに対しては “母親のあなたはチャンピオンの中のチャンピオン。ロールモデルで誰からも尊敬される人物!” と、感動的に持ち上げたのです(汗)

それに対して大坂なおみには “最初のグランドスラムおめでとう” とメッセージは一瞬で終わりました。。。



一部日本のメディアで賞賛されていたセリーナのスピーチも、大坂をフォローしているように見せながら、実は観客と自分を「ヒーロー役」にしていました。(英語がフルーエントなら気付いたと思います)😅



“Let’s try to make this the best moment we can, and we’ll get through it . . . let’s not boo anymore.” (「みんな」でこれを良い時間にして「乗り越え」よう。もうブーイングはやめよう)
“We’re gonna get through this and let’s be positive, so congratulations, Naomi.”
(「みんな」で一緒に「乗り越え」よう。ポジティブになろう。だからナオミおめでとう) → 会場で大拍手が鳴り止まない。。。

って、負けたのをそんなに必死に乗り越えなくてはいけないほど大坂なおみはヒール役だったの!?

セリーナの出産後の復活劇を見たかったにしても、もう少し観客も優勝した人を称えようよ!と思わずにはいられませんでした。

と言いますか、今回のセレモニーを見て、私の好きなアメリカはどこにいってしまったんだ!?と率直に悲しくなってしまったのです。

私が小学校から高校まで向こうで生活していた時は「有色人種や異国民に対する差別や区別の意識が完全になくなるまで、まだ何十年もかかるだろうけど、良い方向に来ている」と感じていました。毎年少しずつ改善していたからです。
特に努力を重ねて成功を収めた者には惜しみない賞賛の拍手を送るのがアメリカ人の素晴らしいところでした。
それは一体どこにいってしまったのでしょう。
まるで時代が後退しているかのようです。

最近、米国に住む2世、3世の友人からも「差別的な問題が増えた。子どもが酷いことを言われた」と聞くことが多くなってきました。その肌感を証明するかのような出来事が今回のトロフィーセレモニーだったのではないかと危惧しています。

全て政治につなげる訳ではありませんが、やはり世の中の風潮というのは政治やリーダーの考え方に染まっていくのかと憂いを抱いてしまうのです。

しかし、そんな中、試合での圧倒的なプレー同様、なおみ選手の受け答えはとても良かったのが救いです。
“みんながセリーナを応援していたのは分かります。こんな結果になってしまって御免なさい。ただ試合を観てくれてありがとう”

母との事を聞かれると
“めったに観に来てくれないので、観に来てくれたのが嬉しかった”
“父はいつも私の試合は(心配で?)ウロウロして観ていない。だから後で会います”
といつもの通りユーモアたっぷりに答えて会場の異様な空気を柔らかく溶かしてくれました。

このマイペースさが今の勝負強さにも繋がっているような気がします 笑

また、ナオミ選手の受け答えをみて、何でブーイングしてしまったんだろうと自分が恥ずかしくなった観客も多かったのではないでしょうか。
是非 次回は応援する側にまわってもらいたいですね!

 

 




若干20歳!

これから数々の伝説をつくってくれるはずです🍀

ぜひ皆で日本の新しいビッグスターを応援しましょう!!