
しかし果してテレビがそのようなことをするとは思えない。残る可能性は、そう、テレビがこの番組のためにブログをわざわざ作ったということだろう。
ならばそれはなんの問題にもなりはしないのである、普通に考えればだ。
しかし、それではこの番組のコンセプトがそもそも大きな嘘ということになる。実在しているブログやらHPに書かれている「嘘」を正すというのがこの番組の主旨だからだ。
しかしやその真相というのも呆れる。
というかその言い分自体がひどくあいまいで、それもまた信じるに足りうるものでは決してあるまい。
もしこの「依頼したが断わられた」というのが本当だったら、おそらくは、その断わったブログ主催者が名乗り出てきても不思議はないのに、未だそのような証言が出てこないというのも腑に落ちないことだからだ。
というか、そもそもこの番組は「ネットには嘘が多いので注意しましょう」というような、かなり底意地の悪さで作られている番組である。
しかし、この番組で取り上げられていたような「常識のウソ」を広めたのは実はネットではなくて、その何十年も前からメディアの帝王として君臨していたテレビ自身なのではなかったのだろうか。
だとすると、この番組で取り上げていた「ウソ」というものにはさらにもうひとつのウソというものが加わっただけ、ということもいえるのではないだろうか。
つまり、「テレビはウソをつかない」というウソである。
テレビはもうすでに死んだメディアなのかもしれない。