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中国の主な新興電気自動車(EV)メーカーが、2025年3月の新車販売(納車)台数を発表した。1位は「自動車界のユニクロ」を狙う零跑汽車(Leap Motor)の3万7095台、2位は理想汽車(Li Auto)の3万6674台、3位は小鵬汽車(XPeng Motors)の3万3205台と接戦だった。4位の小米汽車(Xiaomi Auto)も2万9000台と健闘した。
なお、ファーウェイが技術や販売支援を提供するEVブランド連合「鴻蒙智行(HIMA)」は前月4位だったが、現時点で3月の販売台数を発表していない。ただし同連合の主力ブランド「問界(AITO)」については、3月の販売台数が前年同月比で45.19%減少し、約1万3700台にとどまったことが明らかになっている。
1位:零跑汽車
零跑汽車(Leap Motor)の3月の販売台数は前年同月比154.0%増の3万7095台。1〜3月の累計販売台数は8万7522台となった。同社はコストパフォーマンスの高さで爆発的に販売台数を伸ばしている。
4月には注目の新型SUV「B10」の納車も始まる。B10はLiDARや自動運転向けSoCを搭載するなど高いスマート性能を備えているにもかかわらず、価格は12万9800元(約260万円)からと圧倒的コスパを誇る。
2位:理想汽車
理想汽車(Li Auto)の3月の販売台数は前年同月比26.5%増の3万6674台。1〜3月の累計販売台数は9万2864台となった。
同社は4月末から、自社開発の車載オペレーションシステム「星環OS (Halo OS)」を順次オープンソース化する。星環OSは高性能、低コスト、安全性の高さといった特長を兼ね備えており、今後は世界の開発者と共にさらなる改良を進めていく方針だという。
3位:小鵬汽車
小鵬汽車(XPeng Motors)の3月の販売台数は前年同月比268.0%増の3万3205台。1〜3月の累計販売台数は9万4008台と過去最高を更新し、新興EVメーカーの中で首位に立った。2024年8月に打ち出した低価格シリーズ「MONA」が人気を呼び、販売台数を押し上げた。
同社は今後の成長戦略として、人工知能(AI)と自動車の融合、グローバル展開、AI搭載人型ロボットの活用などを挙げている。何CEOは24年10〜12月期の決算説明会で、「2025年下半期には、中国の競合に先駆けて自動運転レベル3のソフトウエア機能と体験を提供できると確信している」と述べた。
4位:小米汽車
スマートフォン大手の小米集団(シャオミ)が手がける「小米汽車(Xiaomi Auto)」は、詳細なデータを公表していないが、3月の販売台数は2万9000台を超えた。1〜3月の累計販売台数は約6万9000台となった。
2024年3月に発売した同社初のEV「SU7」が爆発的な人気を呼び、着々と販売台数を伸ばしていたが、それからほぼ1年後の3月29日、痛ましい事故が発生した。高速道路を走行中のSU7が猛スピードでガードレールに激突し、炎上した車内に取り残された女子大生3人が亡くなってしまったのだ。衝突直前まで自動運転レベル2の運転支援機能を使っていたという。
このほか、高級EVブランド「極氪(ZEEKR)」は前年同月比18.5%増の1万5422台、蔚来汽車(NIO)は26.7%増の1万5039台で、いずれも2万台を大きく下回った。1〜3月の累計販売台数は、ZEEKRが4万1403台、NIOが4万2094台だった。
中国新興EVメーカーの3月の販売台数ランキングは波乱含みだった。SU7の事故をきっかけに運転支援機能をめぐる議論も再燃している。自動車メーカー各社は高度な運転支援機能の開発を競い、セールスポイントにしているが、今後はより安全性を重視する傾向が強まるとみられる。
*1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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