お供え用「菊」の需要が最多。中国・雲南産の生花、日本市場に浸透 

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中国雲南省で生産される生花がここ数年、日本市場に浸透し、中国と日本の貿易協力の注目点となっている。雲南産生花の着実な輸出増は、中国の花卉(かき)産業の発展を促進すると同時に、世界の花卉サプライチェーン(供給網)に新たな活力を吹き込んでいる。

日本では生花の生産量が減少しており、輸入品がそれを補っている。輸入が特に多いのはバラ、カーネーション、菊。切り花の輸出入を手がける大谷商会花き事業部の山本七実課長によると、日本の市場は特別で、ウェディングでの利用はあるものの、花をプレゼントすることはそれほど多くない。「何にお花を買うかというと、やはりお墓参りとか仏壇にお供えする需要が一番多い」。同社も雲南省から各種の菊を輸入し、すでに取引先と安定的なビジネス関係を結んでいる。

日本の農林水産省が発表したデータによると、日本の輸入花卉は多くが切り花で、主要な輸入先は中国、コロンビア、マレーシアなど。母の日のカーネーションや、春秋のお彼岸とお盆の菊など、特定の時期に需要が集中する品種は輸入の割合が高い。輸入量に占める中国産のシェアは2022年時点でカーネーションが25%とコロンビアに次ぐ2位、菊が22%とベトナムとマレーシアに次ぐ3位となっている。

物流コストの上昇や円安の影響を受け、日本の花卉商社は調達戦略を見直し、地理的に近いアジア諸国からの輸入にシフトしている。例えばコロンビア産のカーネーションは花が大きく品質も優れているが、日本からの距離が遠いため、輸入コストが高い。22年、コロンビアから日本へのカーネーション輸出量が前年比2%減少した。一方で、地理的に有利な中国からの輸入量は10%増加した。

中国から日本への切り花輸出量は21年、2億8千万本を数え、それまで1位だったコロンビアを上回り、日本にとって最大の切り花輸入先となった。その後も中国からの輸入は増加傾向を保ち、22年には前年比1割増の3億本に達した。

中日両国のますます深まる農業協力の中で、花卉貿易は重要な役割を演じている。日本の花卉市場の輸入ルートは日増しに多様化しており、雲南省の花は安定した供給能力と価格の優位性で、南米や東南アジアなどの伝統的な供給国との競争の中で存在感を示している。

生花の仲卸会社「FLORE 21」は30年近く前から雲南省産の花の輸入に関わってきた。代表取締役社長の小池雅也氏によると、中国産の切り花を日本市場にフィットさせるには、安定した品質を保つなどさまざまな課題があり、時間もかかる。だが日本にない品種も多く「見たこともないものをたくさん見つけて輸入し、日本の方々に見せ、紹介したい」と雲南産花卉にかける思いは強い。【新華社東京】

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