中国、全固体電池EVを2027年に実用化へ 「市場シェア1%達成には10年必要」

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中国、全固体電池EVを2027年に実用化へ 「市場シェア1%達成には10年必要」

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全固体電池は、従来のリチウムイオン電池と比べ安全性や耐久性、エネルギー密度、急速充電性能の向上が期待できるため、次世代電池の「本命」とされる。

世界の自動車業界では現在、全固体電池が競争の焦点となっており、中国でも多くの自動車メーカーが全固体電池の研究開発を加速し、実用化に向けた取り組みを進めている。

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中国科学院の欧陽明高院士は、このほど北京で開かれた「中国電動汽車百人会(チャイナEV100)フォーラム」の専門家交流会で、全固体電池のEV搭載は2027年に始まる見込みだが、市場シェア1%を達成するにはそこから5〜10年かかるとの予測を示した。

全固体電池の本格的な普及には依然として課題が多い。現在のところ、量産可能な全固体電池は20~60Ahの小型セルに限られており、車載用全固体電池の良品率は実験室レベルにとどまっている。また、主要材料の硫化リチウムは1トンあたりの市場価格が250万〜300万元(約5300万〜6300万円)と高く、製造コストを押し上げる。コスト削減が進まなければ、全固体電池を中低価格帯の車両に搭載するのは難しい。

中国の主要電池メーカーは、全固体電池のエネルギー密度を400Wh/kgに高めるため、硫化物系電解質の技術開発に注力すると同時に、従来のリチウムイオン電池並みの安全性確保に取り組んできた。

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エネルギー密度をさらに500Wh/kgに高めるには、リチウム負極技術のブレークスルーが不可欠だ。開発には人工知能(AI)を活用した材料研究がカギを握るとみられるため、欧陽院士は車載用全固体電池の実用化は2030~35年になると指摘する。

全固体電池の広範な導入には、その特性に適した急速充電設備の開発と普及が必要になる。そのため、少なくとも今後10年は、固体電池と従来型リチウム電池が共存する時代が続くとみられる。

比亜迪(BYD)や上海汽車集団(SAIC)、吉利汽車(Geely)などの中国自動車大手は、2026〜27年に全固体電池を搭載した車両を市場投入する計画をすでに発表している。

全固体電池の開発競争が加速するなか、中国メーカーによる技術革新と量産化戦略が、世界のEV市場の行方を左右する可能性が高まっている。

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*1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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