大学が「就職専門学校」化しているのではないか。多くの学生に即戦力的な能力を求める企業側の要求に応え、実践的なキャリア教育に力を入れている。だが、今の時代に本当に役立つのか。そんな疑問を持った立教大学3年の井上慶太郎さん(34)が、インタビュー取材を通じ、「大学改造計画」について考えた。
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□今週のリポーター 立教大学 有志学生記者 井上慶太郎さん
≪浅くてもいい、幅広く知ることが大事 立花隆・東大情報学環特任教授に聞く≫
一度社会に出た後、2年前に入学したころは、大学に過度の期待をしていたのかもしれない。スピード感の欠如した授業、学生が大学教育の問題を取り沙汰することを許さない空気、就職専門学校といわざるを得ないカリキュラム…。諦めるしかないとさえ思った。
しかし、2010年度後期に履修した「大学と現代社会」を担当したジャーナリスト・評論家・ノンフィクションライターである立花隆氏(東京大学大学院情報学環特任教授)に出会い、視野の狭さに気付かされた。
「教養とは、英語で『Culture』。もともとは『Cultivate』(耕す)という言葉から派生してる。だから教養の原点には、頭を耕す意味がある」
「グーグルの検索の仕方は大学で教えるべきだ」
「大型書店内をくまなく歩いて『航海誌』を記しなさい」
授業での言葉や課題は、新鮮で有意義だった。立花氏にインタビューを試みた。