「船橋のなし」が地域団体商標を取得 ブランド化で販路拡大期待 千葉

 「船橋のなし」が地域団体商標として特許庁に認められ、船橋市果樹園芸組合の玉井由孝組合長(51)や農協関係者らが船橋市役所を訪れ、松戸徹市長に報告した。生産農家は新年に向け、さらなる品質向上と、ブランド化による販路拡大に意欲を示している。

 船橋市では法典、豊富地区などで約130軒の農家が梨を生産している。昭和30年代から農家が中心となって果樹研究会を設立。品質向上に努めてきた。

 梨の栽培は、冬から作業が始まる。肥料を与え、土壌を豊かにする。芽のつき方のよい枝だけを残して、他の枝は切り落とす。4月ごろ、花が開花すると、天気のいい日を選んでめしべに花粉をつけていく。5月から摘果を始め、良質な実だけを残して栄養を集中させる。8月から10月にかけて見事に実った梨を収穫し、出荷する。船橋産はみずみずしくて糖度が高く、消費者に好評という。

 地域団体商標を取得するには、品質と同時に広く消費者に知られていることが条件となる。市や農協は東京都内や札幌市などで試食会を開いてチラシを配布。人気の市非公認キャラクター、ふなっしーも応援に駆けつけ、認知度が広まった。商標取得によって付加価値が高まり、売り上げも伸びるのではと期待されている。松戸市長は「海外でも販路を開拓できるのではないか」と語り、支援を約束した。

 玉井組合長は「みんなの努力が実って地域団体商標に登録することができた。より高品質でおいしい梨を生産し消費者の期待に応えたい」と笑顔で話していた。

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