官学癒着〜文科省天下りの構図(中)

衰えぬ需給関係 大学側「用心棒が必要」

再就職等監視委員会の報告書。文部科学省が大学設置に精通した職員を斡旋する内容などが記されている(春名中撮影)
再就職等監視委員会の報告書。文部科学省が大学設置に精通した職員を斡旋する内容などが記されている(春名中撮影)

 「来たくないのを呼んできた。大学研究センターの改革に着手してもらっている」

 内閣府の再就職等監視委員会が、文部科学省の組織的天下り斡旋(あっせん)問題を公表した5日後の1月25日。一般社団法人「国立大学協会」(東京)の通常総会後に開かれた記者会見で、出席した筑波大学長の永田恭介は記者から文科省OBを教授として受け入れた理由を問われ、大学が求めた人材だったと強調した。

 文科省OBの教授は元高等教育局長。平成24年7月末に国立教育政策研究所長を退職後、同年9月に筑波大に再就職した。国際化時代に必要な大学改革の在り方などに詳しく、世界標準の大学を目指す筑波大に迎えられた。

 「文科省が目指す大学改革の方向性を熟知しており、筑波大以外にもいろんな大学が狙っていたのではないか」

 文科省幹部はこのOBが引く手あまただったことを明かし、文科省OBを求める大学側の需要の大きさを改めて示した。

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 設置準備室室長、大学設置事務室事務局長…。国家公務員の再就職状況を公表している内閣人事局のホームページには、文科省OBの天下り先として大学や学部の新設準備にあたるポストも目立つ。

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