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view 海に囲まれた神秘の淡水 静岡県沼津市の神池

自然・風景

view 海に囲まれた神秘の淡水 静岡県沼津市の神池

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駿河湾に突き出す大瀬崎。ビャクシン樹林に囲まれた神池の水は口に含んでも塩気を感じなかった =静岡県沼津市(許可を得てドローンで撮影) 駿河湾に突き出す大瀬崎。ビャクシン樹林に囲まれた神池の水は口に含んでも塩気を感じなかった =静岡県沼津市(許可を得てドローンで撮影)
神池はコイやフナが泳ぐ淡水池だ =静岡県沼津市(大井田裕撮影)
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神池はコイやフナが泳ぐ淡水池だ =静岡県沼津市(大井田裕撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 ねじれ曲がった樹木が連なる神社の境内。吹き抜ける初夏の風で樹林がざわざわと音を立て、野鳥が美声を奏でる。木漏れ日が降り注ぐ参道を歩いた先に池が現れた。

 スキューバダイビングの名所で、駿河湾に面した伊豆半島西部の“付け根”から海に突き出す独特な地形の大瀬崎(静岡県沼津市)。その先端にある大瀬神社の「神池(かみいけ)」は、上空から見るとまるでイヤリングのよう。周囲を海に囲まれた池にはコイやフナなどが泳ぐ。不思議なことに、水源もない海辺の池は淡水で満たされている。

 海抜1メートルにある神池の直径は約100メートル。海からの距離は近い所で約20メートルしかなく、ビャクシンの樹林に包まれている。透明度は低く、どちらかというと濁っている印象。水を口に含んでみると全く塩っ気はなかった。

 23年間、池を見守っている大瀬神社の野村芳照宮司(59)は「ここは神が宿る池。環境破壊の恐れもあり調査は行っておらず深さも分からない」という。海が荒れて海水が吹き込んでも淡水に変化はなく、その理由を野村宮司は「比重が大きい海水が池の底に沈むのでは」と推測する。

 静岡大学の小山真人教授(57)=火山学=は、潮の干満時にも池の水位が変わらない▽大瀬崎火山の溶岩流が一帯に分布、池の底に岩盤や不透水層がある-ことなどから「池と海が分離されていると考えられる」という。

 直線距離で約35キロ離れた富士山からの湧水が流れ込んでいるとの説もある。「『神秘』というほかに言葉が見つからない」と野村宮司は話している。(写真報道局 大井田裕)

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