主張

川崎の中1殺害 少年は救えなかったのか

 川崎市の中学1年生、上村遼太さんは、首を切られるなど全身に傷を負い、多摩川の河川敷に捨てられていた。殺人容疑で、18歳の少年らが逮捕された。

 亡くなった少年がかわいそうでならない。13歳の少年を救うことは本当にできなかったのか。

 不登校を心配した担任教師は30回以上、自宅訪問や電話連絡を試みていた。事件の4日前には「そろそろ学校へ行こうかな」の返事ももらっていた。安易に責める気にはなれない。

 グループを抜けたがっていた少年から「殺されるかもしれない」と聞いた友人もいる。事件前にも暴行を受け、顔面を腫らしていたことを知る者もいた。だが学校や警察へ訴えることはなかった。

 彼らを責めることもできない。不良グループへの恐怖もあったろう。だが今となっては、やはり大人に相談してほしかった。

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