学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地払い下げ問題で、学園側が自民党の鴻池祥肇元防災担当相に便宜供与を求めたとする文書を、共産党が暴露した。「怪しさ」の演出だけを狙う稚拙な手法ではなく、ファクト(事実)を示して政権を揺さぶる姿勢は、野党のあり方として高く評価されるべきだ。
それに引き換え、だらしなさが際立つのは民進党である。頻繁に「森友学園調査チーム」なる会合をマスコミフルオープンで開き、「政府を追及してますよ」というポーズを印象づけることには熱心だが、共産党のような攻撃材料は入手できていない。民進党が乱立させている多種多様な「調査チーム」の大半は、関係省庁の官僚のつるし上げに終始しているのが実相だ。
共産党の成果を前に、野党第一党として少しはバツの悪さを感じているかと思いきや、2日の参院予算委員会を見る限り、その姿勢は相変わらずである。
杉尾秀哉参院議員は、臆面もなく「週刊文春」の記事を紹介しながら森友学園問題について質問し、「文春は厳密に裏取りをしております!」。得意げに記事を読み上げる姿には「独自の努力で資料を入手する。裏付けを取って国会で取り上げる」(共産党の小池晃書記局長)という矜持(きょうじ)はみじんも感じられなかった。