給与総額下げ止まり、パート比率は過去最高 13年
厚生労働省が5日発表した2013年の毎月勤労統計調査(速報)によると、残業代や賞与を含む給与総額は月平均31万4150円だった。過去最低だった前年と比べ、ほぼ横ばい圏だが、3年ぶりに僅かに増加し、減少は下げ止まった。一方、パート労働者比率は29.41%と過去最高に上昇。雇用や所得の本格的回復にはまだ遠い。
調査は従業員が5人以上の約3万3千事業所を対象に実施した。13年の給与総額は比較可能な1990年以来最低だった12年の31万4127円よりわずかに増えた。ピークだった97年の37万1670円からは約5万7500円低く、最低水準からは抜け出せていない。
就業形態別では、正社員などフルタイムで働く一般労働者は前年比0.7%増の40万4743円と2年ぶりに増加。パートは0.6%減の9万6630円と2年ぶりに減った。賃金の低いパートの増加が全体の賃金水準を押し下げた。
この1年の経済環境の好転で、企業は賃上げに動き出しているが、主に賞与など一時金で対応している実態も裏づけられた。所定内給与は0.6%減と8年連続で減少し、賞与などの特別給与は2.1%増えた。特別給与は12年(3.3%減)から増加に転じた。
物価の変動を考慮した実質賃金は0.5%減で、2年連続マイナス。政府が物価上昇2%を目指す中、賃上げが追いついていくかが焦点になる。
産業別の給与総額は建設業が1.4%、金融・保険業が1.2%、不動産・物品賃貸業が4.1%それぞれ増えた。パートの多い卸売・小売業は0.1%、医療・福祉が0.7%減った。製造業は横ばいだった。
同時に発表した13年12月の給与総額は前年同月比で0.8%増の54万4836円と2カ月連続で上昇した。ただ、実質賃金は1.1%減と6カ月連続でマイナスだった。