英で認知症対策サミット 研究費の大幅増合意
【ロンドン=共同】高齢化に伴う認知症の人の増加を世界共通の課題と捉えて国際的な対策を進めようと、初の「主要国(G8)認知症サミット」が11日、ロンドンで開かれた。2025年までに治療法などを特定することを目指し、各国共同で研究費を大幅に増やすことで合意した。
共同声明には、認知症対策の技術開発や研究を進めるための基金創設を検討する方針も盛り込まれた。
サミットは今年のG8議長国である英国のキャメロン首相が認知症対策の重要性を訴え、開催を決めた。G8各国の閣僚級や製薬会社、研究者、市民団体などのほか、認知症の当事者も参加。日本からは土屋品子厚生労働副大臣らが出席した。
土屋副大臣は開幕に先立ち「日本は認知症の先進国。うまくいかなかった政策を含めて経験を提供し、意識を共有したい」と述べ、会議では早期診断の促進などを柱に今年4月から始めた5カ年計画「オレンジプラン」などについて説明した。
研究費増加については、各国が2年に1度、金額を報告し合う。基金は民間からの拠出を想定し、資金集めなどの活動をする「特使」を英国が任命する。
各国の研究内容について情報開示を進め、データを共有するほか、国際的な共同研究に向け行動計画を定める。
サミットに続く国際会議を来年、英国、カナダなどが開き、日本も認知症の介護や予防の新しいモデルづくりに関する会議を予定。次回サミットは15年2月に米国で開く。