アニメ「君の名は。」、興行収入が邦画歴代5位に
東宝「164億円超す」

東宝は24日、アニメ映画「君の名は。」の興行収入が164億円を超えたと発表した。宮崎駿監督の作品「崖の上のポニョ」や米映画「アバター」を超え、国内の歴代興行収入で9位に入った。上映スクリーン数は増えており、動員客数のさらなる上乗せも見込めそうだ。
邦画では歴代5位。8月26日に公開され、10月23日までの59日間で観客動員は1260万人を超えた。ツイッターなど交流サイト(SNS)で人気に火が付いた。リアルな風景描写と、劇中に流れるロックバンド「RADWIMPS」の楽曲への評価が高い。上映開始当初はスクリーン数が301だったが、現在は342に増えた。
特徴は10代を中心とする若い世代の観客が多いことだ。歴代興行収入1位の「千と千尋の神隠し」は、観客層が子どもから年配まで幅広く、公開から約2カ月で興行収入193億円を達成した。対して、ほぼ同じ長さの期間で164億円となった「君の名は。」は思春期の恋愛を描いており、東宝によると公開初日の観客は10、20代が9割を占めた。複数回、映画館に足を運ぶ人も多い。
アニメ・特撮研究家で明治大学大学院客員教授の氷川竜介氏は「観客はストーリーではなく、スリルや安堵感などの体験を求めている。それがリピーターの多さにつながっているのでは」と分析した。
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