モンゴルの遺跡、チンギスハンの軍事拠点か 調査隊が分析
13世紀にモンゴル帝国を建設したチンギスハンの軍事拠点「チンカイ城」とされるハルザンシレグ遺跡で、木片や土器、家畜の骨片が出土し、日本モンゴル合同調査隊が26日、大阪府枚方市の大阪国際大で発表した。
木片は、放射性炭素年代測定により12世紀中ごろ~13世紀中ごろのチンギスハンの時代と判明した。合同調査隊代表の松田孝一・大阪国際大名誉教授は「遺跡がチンカイ城である可能性が高まった。モンゴル高原の歴史は文献でも断片的にしか書かれておらず、今後の調査で明らかにしていきたい」と話した。
遺跡は、首都ウランバートルの西880キロのゴビアルタイ県シャルガ郡にある。当時、遺跡付近を訪れた中国の道教の道士・長春真人(1148~1227年)が旅行記に記した山や湖の位置が遺跡の周辺の景観と一致することから合同調査隊はチンカイ城と判断。2014年8~9月に発掘調査を実施し、ごみ捨て場とみられる穴などから木片などが見つかった。
チンカイ城はチンギスハンの命令で、大臣のチンカイが1212年に建設したとされる。農耕地もある兵たん基地で、中央アジアにつながるシルクロードの拠点だった。
遺跡の一辺は170~220メートルのほぼ正方形。土壁で囲われ東側には門が設置されていた。〔共同〕