楽天が来季監督として、大久保博元2軍監督(47)を昇格させる方針を固めたことが1日、分かった。近く本人に打診し、シーズン終了後に正式決定、発表となる見込み。辞任する星野仙一監督(67)を継ぎ、球団歴代5人目の監督が誕生する。昨季の日本一から一転、今季は最大23の借金を抱えるまで低迷したチームの立て直しを図る。
複数の候補から人選してきた楽天の来季監督は、大久保2軍監督の内部昇格で一本化された。今後、新監督を支えるコーチ陣を固める作業に入る。楽天の今季最終戦は6日で、翌日から最大1週間の休みに入る。来季に向けた練習が再開される今月中旬には、デーブ新体制が発足することとなりそうだ。
星野監督が、2年の契約期間を残して辞任を表明したのは9月18日。続投が基本路線だったため、その時点で後任は白紙だった。当初から7月に監督代行を務めた大久保2軍監督は、最有力候補に挙がっていた。ただ、球団内には監督経験者を推す声も強くあったため、複数の候補者をリストアップして楽天本社とともに慎重に検討を重ねてきた。
最終的に大久保2軍監督の内部昇格に落ち着いた背景には、若い人材の積極採用をいとわない三木谷オーナーの意向もあるとみられる。代行としての17試合は8勝9敗。1勝差で勝率5割には届かなかったものの、1番に松井稼を起用したり、17試合で16盗塁と機動力を積極的に用いたりした。また、ドラフト1位の松井裕を中継ぎで起用。就任初戦の7月2日オリックス戦で5回2死から登板させ、プロ初勝利をつかませた。低迷するチームに新しいオプションをつくった。星野野球の継承だけでなく、独自色を出すことも期待される。
この日、仙台市内の球団事務所で取材に応じた立花社長は、シーズン中であることに配慮し、来季の体制について「まだ白紙です。CS争いが長引いて、順位がまだ確定していないからというのはあります。秋季キャンプまでには整えます。来年の体制となるように」と話すにとどめた。名指しは控えたが、大久保2軍監督に立て直しを託す。