Androidを使っていて「AをしたらBもしてほしい」と、思うことはありませんか? 例えば、職場を離れる時に関係者にメールを送る、映画館に入ったらマナーモードへ切り替える、朝起きたら着信音をオンにする、など。

これ全部、『Tasker』なら可能です。

この記事では、万能自動化ツールTaskerを利用して、Androidを超パワフルに使いこなす方法をご紹介します。Taskerのような自動化ツールに慣れていない人でも、きっと大丈夫。Taskerの使い方は、とっても簡単。利用したいタスクをダウンロードしてインストールするだけなのです。タスクを自分でカスタマイズしたい人にも、必要な手順を解説しますのでお楽しみに。

それでは一緒に、Androidの可能性を最大限に引き出していきましょう。

Taskerとは?

TaskerはAndroidの自動化ツールです。

このアプリは携帯電話の情報をモニタして、(特定の操作がされた、特定の所在地にいるなどの)設定された条件を満たすと作動します。自動でアプリを起動したり、システム設定を変更したり、SMSを送信したり、大きな音でアラートを鳴らしてくれたり、という設定ができます。GPSを利用して職場に到着しただとか、Wi-Fiの圏外に出たなどのイベントを拾うことも可能。Androidの操作は、ほとんどTaskerで自動化できます。まさに使い方は無限大といえます。

また、Taskerを使う上で欠かせないさまざまなアプリも、自分で作成することなくダウンロードできます。『Tasker App Factory』はあなたが作成したタスクをAndroid用のAPKファイルにしてくれるTaskerのアドオン・ユーティリティ。自作したアプリを友人に送ったり、ウェブでシェアしたり、Google Playにスタンドアローンアプリとして投稿することだって可能です。

TaskerとApp Factoryを組み合わせれば、ゼロから設定することなく、簡単にアプリが手に入ります。

Taskerで何ができるのか?

Taskerの可能性に限りはないのですが、まずは、あなたが毎日手動で行っている操作を自動化してみるとよいでしょう。例えば、自宅にいるときはWi-Fiをオンにして、外出するときにオフにするなどです。

初心者でも、便利な自動化タスクをあっという間に作成できるのがTaskerの良いところ。今回は、ダウンロードしてすぐに使えるアプリファイルを提供するとともに、ゼロからタスクを作成する方法もご説明しますので、お好きなやり方で楽しんでください。

まずは、Taskerをインストール。次からのセクションでは、実際にTaskerで使えるアプリの作成方法や、他のユーザーが作ったアプリのインストールやカスタム手順などを見ていきます。

始める前の準備

まず、Google Play以外の場所からもアプリをインストールできるように、Androidの設定を変更します。

  1. Androidのホーム画面で、メニューボタンをタップします
  2. [設定] - [アプリケーション]と進みます
  3. 「提供元不明のアプリ」(Unknown Sources)にチェックを入れます

Taskerアプリのインストール方法には、「易しい方法」と「難しい方法」の2種類があります。自分でカスタマイズしたい人は「難しい方法」でインストールしてください。

易しい方法:アプリの「APKファイル」を提供サイトからダウンロードしてインストールする方法。APKファイルは端末に直接ダウンロードするか、Dropboxなどの同期サービスを使ってください。ダウンロードしたAPKファイルをタップすれば、アプリのインストールが始まります。

難しい方法:Taskerの「XMLファイル」を提供サイトからダウンロードしてTaskerにインポートする方法。XMLファイルは端末に直接ダウンロードするか、Dropboxなどの同期サービスを使ってください。XMLファイルをダウンロードできたら、以下のいずれかの方法でTaskerにインポートします。

  1. Taskerを起動し、画面上部にある「Project」タブを長押しします「Import」を選択し、ダウンロードしたXMLファイルを指定します
  2. XMLファイルを直接開き、アプリケーションを指定するポップアップ画面が表示されたら、メニューから「Tasker」を選択します

簡単にインストールできるおススメのTaskerアプリ

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以下に、筆者お気に入りのTaskerアプリをご紹介します。ぜひインストールして試してみてください。インストールして何も起きないように見えても心配ご無用。ちゃんとバックグラウンドで動いていて、決められた条件がそろえば自動的に処理を実行します。

・夜になったらスクリーンを自動的に暗くする

このタスクは、あなたが寝ている時間帯に画面を暗くしておいてくれます。寝ている間にメールの着信があっても画面は明るくなりません。初期設定では、深夜になるとスクリーンが暗くなり、朝の6時に再び明るくなります。

このアプリは上記の「簡単な方法」でインストールできます。>こちらのAPKファイルをダウンロードしてください。

自分でいろいろカスタマイズしたい場合は、>XMLファイルをTaskerにインポートするか(上記の「難しい方法」参照)、以下の手順に従ってください。

  1. Taskerを開いて「Profiles」タブを選択。画面下の「プラスマーク(+)」をクリックして新しいプロファイルを開始します
  2. プロファイルに名前をつけます(例えば「Dimmer」)
  3. プロファイルをアクティブにする条件(「First Context」)を指定するプロンプト画面が表示されたら、「Time」を選択
  4. 次の画面で、プロファイルをアクティブにする時間帯を指定します。開始時間(from)にはあなたが普段寝る時間を、終了時間(to)には起きる時間を指定してください。時間を入力したらチェックマークをタップします
  5. 次に、実行するタスクを指定するプロンプト画面が表示されますので、「New Task」をタップしてタスクに名前をつけます(例えば「Dim Screen」)
  6. タスクに名前をつけたら「Select Action Category」画面が表示されますので、「Display」をタップし、「Display Brightness」に進みます
  7. 明るさ調整用のスライダーが表示されますので、明るさを「ゼロ」にしてください。その他の設定はデフォルトのままで、チェックマークをタップします
  8. プロファイル画面に戻ります。画面右下の「On」ボタンをタップして、プロファイルを有効にしてください。ここで「明るさの自動調整機能がオンにしてあると、このプロファイルはうまく動作しない場合があります」という内容の警告が表示されるかもしれません。その際は、Androidの設定で「明るさの自動調整」機能をオフにしておきましょう

・ヘッドフォンが接続されたら音楽プレイヤーのリストを表示する

このTaskerアプリは、端末にヘッドフォンを接続したときに、インストールしてある音楽プレイヤーのリストを表示します。アプリを探す手間が省けるというわけですね。音楽アプリは『Google Play Music』、『DoubleTwist』、『Pandora』などが選べます。

このアプリは「簡単な方法」でインストールできます。こちらのAPKファイルをダウンロードしてください。

リストに表示する新しい音楽アプリを追加したい場合は、こちらのXMLファイルをTaskerにインポートして使ってください(上述の「難しい方法」)。タスクをイチから作りたい人は、以下の手順を参考に。

  1. Taskerを開き「Profiles」タブを選択。画面下の「プラスマーク(+)」をクリックして新しいプロファイルを開始します。
  2. プロファイルに名前をつけます(例えば「Headset Plugged」)。
  3. プロファイルをアクティブにする条件(「First Context」)を指定するプロンプト画面が表示されますので、「State」を選択して「State Category」の中から「Hardware」を選びます。
  4. 「Headset Plugged」をタップすると、どんなタイプのヘッドフォンが接続されたときにアクションを起こすかを尋ねるプロンプト画面が表示されます。デフォルトの「Any」のままでOKでしょう。
  5. 続いて、ヘッドフォンが接続されたときに実行するタスクを指定します。「New Task」をタップしてタスクに名前をつけてください(例えば「Music Menu」)。
  6. 「Task Edit/Music Menu」という画面が表示されたら、プラスマーク(+)をタップして「Action Category」画面を表示します。
  7. 「Alert」を選択し、ポップアップ画面で「Menu」を選びます。メニューのタイトルは空欄のままでも構いません。ただしメニューの表示時間を意味する「Timeout」の設定は重要。デフォルトでは30秒ですが、もう少しメニューを表示させておきたい場合は、長めに設定します。
  8. 同じ画面で「Items」までスクロールダウンします。チェックボックスとテキストボックス、そして色が少し薄くなっている「Actions」というボタンがありますので、この「Action」ボタンをタップ。
  9. 「Action Category」画面から「App」をタップし、「Load App」を選択します。
  10. お気に入りの音楽アプリを選択してください。チェックマークをタップすると、メニュー画面に戻ります。メニューリストに指定した音楽アプリが追加されていることを確認してください。
  11. さらに別の音楽アプリを追加する場合は、メニュー画面のプラスマーク(+)をタップし、直前の3ステップを繰り返します。アプリはいくつでも追加可能。追加し終わったら、「Task Edit/Music Menu」画面のチェックマークをタップします。

・『Google マップ ナビ』を開いたらGPSを自動で有効にする

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Androidでナビアプリを起動して目的地を入力、ルートを検索しようとすると、「GPSを計測中...」のようなメッセージが出て、何分も待たされてしまいます。ナビアプリの操作性は優れているのに、GPSの処理速度が遅くて足を引っ張っているのです。この問題の解決方法は以前にもご紹介しましたが、Taskerならもっと簡単です。目的地を入力している間に、並行してGPSを起動させれば、余計な待ち時間をグッと減らすことができます。

このアプリは「簡単な方法」でインストールできます。こちらのAPKファイルをダウンロードしてください。

「難しい方法」でインストールしたい人は、このXMLファイルをTaskerにインポートしてください。イチから自分で設定したい人は、以下の手順を参考に。

  1. Taskerを開いて「Tasks」タブを選択。画面下のプラスマーク(+)をクリックして新規プロファイルを開始します
  2. タスクに名前をつけます(例えば「Navigation」)
  3. 「Task Edit/Navigation」画面が表示されたら、プラスマーク(+)をタップして「Task」を選択
  4. 「If」を選択して、テキストボックスに「%GPS ~ off」と入力。チェックマークをタップします
  5. 「Task Edit/Navigation」画面に戻って、再度プラスマーク(+)をタップ。「Misc」をタップし、「GPS」を選択
  6. 次のメニュー画面で「Set」のドロップダウンを「On」に変えます。チェックマークをタップして編集画面に戻ります
  7. プラスマーク(+)をタップ、「Task」を選択して、「Wait」を選択。「ms」スライダーを「50」にします。チェックマークをタップ(「TaskerにGPSが起動するまで何もしないで50ms待つ」という指示です)
  8. さらにプラスマーク(+)をタップ、「Task」を選択し「End If」をタップ、そしてチェックマークをタップします
  9. 最後にまたプラスマーク(+)をタップして「App」を選択。「Load App」を選んで、アプリリストから「ナビ(Navigation)」を選んで、ほかのオプションはそのままで、チェックマークをタップします

これで、ナビアプリを開いて目的地を指定している間に、GPSがウォーミングアップを済ませ、現在位置を把握します。あとはナビアプリを閉じたときに、GPSも自動終了させたいですよね。手順は以下の通り。

  1. Taskerを開いて「Profiles」タブを選択。画面下のプラスマーク(+)をクリックして、新規プロファイルを開始します
  2. プロファイルに名前をつけます(例えば「Nav Exit」)
  3. 「First Context」を設定するプロンプト画面が表示されたら「Application」を選択、続いて「ナビ(Navigation)」を選び、チェックマークをタップ
  4. タスク選択画面が表示されるので、「New Task」をタップし名前をつけます(例えば「No Waiting」)
  5. プラスマーク(+)をタップ。Action Category画面を開き、「Task」を選択。
  6. 「Wait」をタップして「MS」スライダーを「1」にします。チェックボックスをタップ。 タスク編集画面に戻ったら再度チェックボックスをタップします
  7. Taskerのプロファイル画面に戻ったら、「No Waiting」タスクを長押しします。ポップアップメニューが表示されるので、「Add Exit Task」をタップ
  8. 「New Task」をタップし、名前をつけます(例えば「GPS Off」)
  9. 「Task Edit」画面のプラスマーク(+)をタップし、「Misc」を選択
  10. 「GPS」をタップし、「Set」ドロップダウンを「Off」にセット。最後にチェックボックスをタップ

これで、Taskerはナビアプリが閉じられたことを知ると、1ms待ってからGPSを自動的に終了にします。この方法はTasker Wikiを参考にしました。英語のみですが、こちらもチェックしてみてください。

最後にホーム画面に新しい「ナビ」タスクへのショートカットを作りましょう。既存のナビアプリへのショートカットを、新しいショートカットで置き換えたほうが便利です。やり方は以下。

  1. ホーム画面のどこかを長押しするか、メニューボタンの「追加」から、「ショートカット」を選択
  2. リストを「Task Cut」までスクロールし、タップ。Taskerタスクのリストが表示されたら「Navigation」を選択
  3. タスクの概要が表示されますので、「画像選択」ボタン(プラスマークの右)をタップして、アプリアイコンを選びます。標準アイコンとTaskerアイコンが選択可能。ナビアプリのショートカットなので、ナビアプリとわかるアイコンを使いましょう。「アプリケーション アイコン」をタップして、ナビアプリまでスクロールし、選択します
  4. チェックマークをタップすると、アイコンがデスクトップに表示されます

米Lifehacker読者が作成した便利なタスクたち

先日、米LifehackerでTaskerをどのように使っているかをアンケートしたところ、ユーザーの皆さまからすばらしいタスクが多数寄せられました。その中から特におススメなものをご紹介します。

・緊急メッセージの時だけ着信音を鳴らす

Helixthe2nd氏は、Taskerを使ってSMSで緊急メッセージを受け取れるようにしているそうです。携帯電話をマナーモードにしている時でも、SMSで特定のコード(911など)を含むメッセージが届いた場合は、着信音を鳴らすように設定しています。

他にも、相手がどうしてもあなたに連絡を取りたい場合に使えます。たとえ仕事中だったり映画館の中にいたりしたとしても、相手がどうしてもあなたを呼び出したいという緊急事態なのであれば、着信音を鳴らしてもらいたい場合もあるはずです。

また、基本的には就寝中は着信音をオフにしておけれど、緊急な要件であれば深夜でも着信音を鳴らしてほしいという人にも便利です。会議中に携帯電話をサイレントモードにするが、大切な要件があれば着信音で知らせてほしい場合にも有効です。

このアプリは「簡単な方法」でインストールできます。こちらのAPKファイルをダウンロードして実行してください。

タスクをカスタマイズしたい人は「難しい方法」でインストールしましょう。こちらのXMLファイルを使ってください。

・夜間は電話の着信だけを受け取るようにする

Justin Novack氏は、夜間は電話の着信だけを受け取って、SMSやメールの着信にはわずらわされたくないと思っていました。そこで、夜間は同期機能をオフにすることを思いついたそうです。こうすれば、メールやSMSなどが着信しても音が鳴りません。しかし、電話の着信があったときは普段と同じ音量で知らせてくれます。

このワークフローは「難しい方法」でインストールする必要があります。こちらのXMLファイルをインポートしてください。

・会社を出て帰宅するときに誰かにSMSを送信する

Justin Novack氏がもうひとつタスクを提案してくれました。このアプリは米Lifehacker編集部内でも大人気。あなたが帰宅するために会社を出たとき、愛するガールフレンドに自動メッセージを送るスクリプトです。筆者は、IT系である仕事柄、毎日何時に仕事を終えられるかわからないそうです。自宅で待つ愛しの恋人から「会社を出る時にメッセージが欲しいわ」と、お願いされていたようで、このアプリを使えばとても便利なことに気づきました。

このアプリのインストールは少しトリッキーです。実行するには少しカスタマイズが必要になります。こちらのXMLファイルをTaskerにインポートして、変数の設定を行います。もしくは、インポートする前にXMLファイルをエディタで開いて編集してもよいでしょう。

まず「%Home」変数を設定し、「電話番号」の箇所をあなたがメッセージを送りたい電話番号に変更します(サンプルスクリプトの中では「800-867-5309」になっています)。そして、SMS送信のトリガーとなるGPSの位置情報を設定します。これは少し難易度が高い作業ですが、何度かテストすればうまくいくでしょう。

そのほかにも、さまざまなチュートリアルが付いた優れたアプリが公開されています。

米Lifehacker読者のTony Bullard氏は自作の通知システムをシェアしてくれました。Bullard氏自身のサイトでも紹介されていますので、気になる方は併せてチェックを。

misterlee35氏は、Taskerのすばらしいチュートリアルを見つけたそうです。SMSやメールの未読数、着信電話の件数をデスクトップにわかりやすく表示してくれます。

Dan Purnell氏は、とっておきのタスクが2つあるそうです。ひとつは「ムービーモード」への切り替えスイッチ。デスクトップに置いてあるスイッチをタップするだけで着信をマナーモードにしてくれます。端末で映画を見るときに使えますね。

もうひとつは、「こっそり録音ボタン」です。デスクトップにある録音ボタンを押すと、スクリーンに何のサインも表示せずにこっそりと録音がスタートします。こちらのスレッドでは、そのほかにも、たくさんの使えるタスクが掲載されていますので、ご参考に。

Ben Blincoe氏は、Google Playにアプリ形式の自作Taskerタスクをたくさん公開している開発者を見つけたそうです。

AutoRemote』は別のAndroidデバイスやウェブからプッシュ型の通知を送ることで遠隔操作ができるTaskerプラグイン。『AutoShortcut』は、Androidのショートカットやアプリケーションの項目を切り替えるTaskerタスク。

さらに一歩進んだTaskerアプリ

さらに一歩進んだTaskerアプリもあります。例えば、読者のBob Igo氏はTaskerを自宅のオートメーションシステムにつないで、帰宅時にガレージの扉を開けたり、家を出る時に誰かに知らせたりなど、あらゆることに使っているそう。彼の「Github」ページに行けば、自作のTaskerプロファイルを見ることができます。

同様に、「Tasker Wiki」のアドバンスセクションもチェックしてみてください。多少スキルが必要ですが、便利で面白いタスクを自作することができます。例えば、GPSを利用して、あなたがよく行く映画館に来たときに自動でマナーモードへ切り替えるタスクなども作れます。また、会社へ着いたときにオフィスのWi-Fiに自動接続したり、着信音を小さくしたり、壁紙を変えたり、帰宅するまでWi-Fiをオフにしたりなどができます。

Taskerプロファイルを作成したら、外に出て実際にテストしてみましょう。Tasker WikiTasker User Guideなどの情報サイトも積極的に利用しましょう。プロファイルをアプリとしてエクスポートしたい場合は、前記のApp Factoryを使えば簡単です。

可能性はまさに無限大。Taskerを利用して、Andoridをクリエイティブに使いこなしてください。

Tasker | Google Play

Tasker App Factory | Google Play

Alan Henry(原文/訳:伊藤貴之)