なんとなくアヤシイ...。根拠のない予感は、意外と当たっているもの。では、その予感が「失業すること」だったら、どうすればよいのでしょうか? 最近、アートディレクターとしての仕事を失った経験を持つ、米LifehackerライターのMelanie Pinolaさんは、自身の経験を踏まえ、失業しそうだと感じたときに準備しておくべきことについて、次のように綴っています。

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 実際、失業が現実となる前には、いくつかの兆候があります。自分の属する組織や業界がリストラする、自分の仕事の多くがアウトソーシングされる、会社の収益が減ってきた、職場がなんとなくどんよりしている...などがその例です。もちろん、だからといって、必ずしも失業してしまうとは限りませんが。しかし、備えあれば憂いなし。以下の5つをやっておきましょう。

1: 自分の経済状況を再評価する

身の丈にあった生活をする、適切な予算を組む、節約する、というのは基本ですが、収入がなくなるかもしれないと思ったときこそ、自分の経済状況を見直すきっかけになります。ライフハッカーアーカイブ記事「マネーの健康状態をセルフチェックするための8つの質問」などを参考に、自分の資産と負債の状況、キャッシュフローを正しく把握しましょう。また、節約術についてはライフハッカーアーカイブ記事「100年に1度の経済危機に生き残る『節約法』10選」もご参考まで。


2: 「まさか」に備えて支出を削る

自分の経済状況を把握できたら、無駄な支出をできる限り削減し、失業に備えて貯金しましょう。3~6ヶ月分の生活費をまかなえるだけの金額が目安ですが、失業期間がどれくらい続くのかわからないので、できるだけ多くのお金を貯めるよう努めましょう。共働きの家庭は、片方の収入だけでやりくりするように心がけるといいです。


3: 住宅ローンを考えよう(マイホーム所有者のみ)

経済的に意味があるなら、借り換えも一法です。ファイナンス系メディア「Bankrate」のこちらの記事(英文)では、借り換えのタイミングについて紹介しています。もし、借り換えするのであれば、審査にパスするためにも、雇用されているうちに申し込みましょう。借り換えで節約できたお金は、貯金すること。

同様に、所有する住宅の価値を担保とする「ホームエクイティローン」も検討の余地あり。ただし、自宅を当座の資金稼ぎの担保に使うことは、リスクが伴うことに注意が必要です。「Money Magazine」は、ホームエクイティローンはあくまでも最終手段であるべき、と指摘しています。

失業保険付住宅ローンも選択肢のひとつではあります。これは、会社の倒産や整理解雇など、会社都合で失業した場合、住宅ローンをこの保険が支払ってくれたり、保険金を受け取れるというものです。ただし、保険にかかるコストとリストラに遭うリスクとのバランスを、慎重に判断する必要があります。また、保険の受取額や待機期間など、条件は様々ですので、契約前にきちんとチェックしましょう。


4: 仕事に関連するコミュニティに参加し、ネットワーキングしよう

業界の団体や同業者の集まりなど、次の仕事を得るきっかけになったり、これからの生活に役立ちそうなグループに積極的に参加し、ネットワークを広げましょう。仕事上のつながりができれば、新しい仕事も得やすくなります。また、ソーシャルメディアのプロフィールを更新することもお忘れなく。LinkedInといった、プロフェッショナル系ソーシャルネットワークサービスに登録するのもいいでしょう。また、すでに会社でリストラが始まっているなら、履歴書を更新し、オンライン求人サイトに匿名で応募しはじめるタイミングです。


5: 副業やボランティアを見つける

パートタイムやフリーランスの仕事は、失業した後の生活を支える上で有効です。ただし、日本では従業員に副業規制を課している企業も多いようなので、始める前に一度ご自身の会社の就業規則をチェックしてください。また、無償ボランティアとして働くのも手。後々、有償スタッフとして雇われる可能性はゼロではありません。

フェイスブックが大学の寮から生まれたように、多くの企業は、屋根裏やガレージで、趣味の延長から、はじまりました。起業家として自立し、事業を起こすいい機会かもしれません。意外と小さなことが、後々大きなものへとつながることはあります。筆者の場合、失業するかもしれないという怖れから、少しづつモノを書くようになったそうです。そして、ひとつの仕事が別の仕事につながり、それがさらに別の仕事へとつながり、うまく転がるようになったとのこと。


おまけ

失業のおそれが現れたら、ストレスに注意。自分をいたわり、「そのときに備えてきちんと準備しているから大丈夫」と、自分を安心させましょう。


失業の危機を感じている人はもちろん、仕事が安定している人も、これらのコツは、自分の経済状況を見直したり、プロフェッショナルとしてのキャリアアップに応用できるものばかり。参考にしてみてくださいね。

Melanie Pinola(原文/訳: 松岡由希子)