自室のステレオで音楽を聞く際、スピーカーの位置を考えたことはありますか? 音は波であり、反射するので、スピーカーの位置によって、音の聞こえ方は大きく変わります。そこそこ良いオーディオ機器を使っているのに、イマイチ音が良くない...と感じている方は、もしかしたらスピーカーの位置が悪いのかもしれません。
スピーカーを完璧に設定するのは、人によって音の好みもあるので、果てがありません。しかし、ちょっとしたスピーカー設置のコツを知っておけば、高いスピーカーを買わなくても、音は良くなります。そこで今回は、音が良くなるスピーカーの設置方法を、ご紹介します。
■準備するものテスト用のトラックを1曲用意します。好きな曲でOKです。MP3でもOKですが、128kbps以上のものにしましょう。アコースティックの楽器が入っていると、なお良いです(ジャズ、クラシック、アカペラなどがオススメとのこと)。これをベンチマークとして、スピーカーの位置を調整します。
- 壁から2、3フィート(約61~91cm)以内に置く(壁にスピーカーの背面を向けて置く)
音がくっきりとして、低音が濁らなくなります。低音が弱いなと感じたら、スピーカーの背面を壁に近づけると良いです。 - 角には置かない
低音がよっぽど弱くない限り、スピーカーを部屋の対角線に沿って、角に置くのは避けましょう。 - 自分とスピーカー2台の3点で、正三角形を作る
自分とスピーカーの間の距離、そして各スピーカー間の距離は、それぞれ大体9フィート(約2.7メートル)が理想的です。 - ツイーター(スピーカーの高音域が出る部分)が、耳の高さにくるように置く
ツイーターは、ビームのように真っ直ぐ音を出力するので、耳の高さにくるように置くと、音像がくっきりします。 - スピーカーを固定する
これは、少々難しいかもしれません。スピーカーに足やスパイクがついている場合は、それを使って固定しましょう。銃の発砲と同じで、スピーカーも、音が出た時に反動があります。それを防げば音がクリアになります。
■正しい位置を選ぶオーディオマニアもよく言いますが、オーディオシステムを組むのに、部屋は非常に重要な要素の1つです。置く位置によっては、ミニスピーカーでも良い音響が得られます。設置のポイントは以下です。
■試聴してみる曲を用意して、スピーカーの位置も決まったら、さっそく音楽を流してみましょう。その際、スピーカーの位置を、近づけたり、離したり、高さを変えたりして、音を聞き比べてください。ミュージシャンが、その場で演奏しているかのような音響が得られたら、そこが音の良い位置です。歌は、スピーカーとスピーカーの間から聞こえてくるイメージで聞こえると、ベストです。
高さの調節には、脚立や本が使えます。ここだという位置を発見できても、もっといい位置が見つかる可能性はあるので、早まって壁に打ちつけてしまわないように気をつけてください。
スピーカーによっては、ツイーターが真っ直ぐに向いていないこともあるので(床に置くのを前提に斜めになっていたり)、少し角度をつけて置くと良いです。
■部屋の形を考えるいくら探しまわっても、音が良くなる場所が見つからない...。そのような場合、部屋の形が問題になっている可能性があります。
側面の壁同士が近い場合、そこに反射して音が悪くなります。壁に吸音素材のスポンジを貼ると反射しなくなるので、購入してみるといいかもしれません。貼る際には、壁と天井が接するところに貼りましょう(天井が低い場合は特に)。
他にも、家具などは、良い音響の障害となります。動かせる範囲で、音が反射しない位置へ家具を動かしてみましょう。極論を言えば、スピーカーと自分の間には、何もないのがベストです。
いかがでしたか? 音楽好きや、オーディオ好きの方には、こんなの常識といった内容だったかもしれません。しかし、スピーカーの位置を変更するだけで、音楽の聞こえ方は変わるので、皆さんも是非、自室でのベストポジションを探してみてください。自室でも、イヤホン・ヘッドホン派という方は、こちらを参照してみてください。
How-To: Set Up Your Speakers [Wired How-To Wiki]
Jason Fitzpatrick (原文/訳:松井亮太)