新ブラウザ、2つの新Ubuntuリリース、ネットブック用OSなど、2009年はオープンソースソフトウェアの年だったと言っても過言ではない一年でした。

Linux関連の記事で読者からよい反響があった記事&フリーソフトをまとめてみましたので、Linuxユーザの方は必見の内容となっていますよ! 去年は2008年フリーソフト番付(Linux編)最も人気のあったLinux記事(英語記事)と米lifehackerでは2本のLinuxまとめ記事を書いたのですが、最もダウンロードされているものは大抵の場合、WindowsMac用にもリリースされていることがしばしば。と、いうことで、ダウンロードに限定してしまうと、似たような内容となってしまうため、今回はLinuxに焦点を絞った記事というスタンスで編集してあります。

参考までに記事の末尾に最も人気のあるクロスプラットフォームダウンロードのリストも掲載しておきますが、2009年フリーソフト番付(Mac編)2009年フリーソフト番付(Windows編)と、あまり内容に変化がないです。来年は、さらに編集方法を変えないとならないかもしれませんね。

Linux情報、扱い方、Linux専用ダウンロード、など、Linux関するのよりすぐりの2009年まとめ記事は以下にて!

 

Portable Ubuntu』でUbuntuをWindows内から実行!英語記事

091221_02portable_ubuntu_splash.jpg

ちょっとコマンドラインをいじるだけで本当に実行できるんですよ!

このツールはWindowsデスクトップからLinuxアプリをシームレスに実行(英語記事)できるandLinuxシステムの近い親戚に当たるツール。インストールも不要でサムドライブからの使用も可能! 年末年始に親戚のおじさんにLinuxがいかにオープンでフリーなのかを説明すると感謝されちゃうかも。

LinuxツールでWAPは比較的簡単に解析できてしまう

091221_03_wepcrackbacktrack-head.jpg

BackTrack 3 Live CDを使ってWi-FiネットワークのWEPパスワードをクラックするのがいかに簡単なのかについてジーナも過去に記事を書いていますが、その中で彼女は「なぜ古いルータをアップグレードするべきなのか」という理由や、「緊急時にネット接続が必要な場合の最後の手段としての接続方法」などにふれています。またWEPクラック用ツールやTips(英語)、「なぜ人がまだこの簡単に破られてしまう暗号スキームを使用しているか」という理由などについても説明してくれています。日本語のブログではここここをご参照あれ。

Ubuntuリリースの未来

091221_04ubuntu_splash.jpg

ほぼ6ヶ月に一度、毎年2バージョン以上のUbuntuがリリースされていますが、今年のKeir Thomasによる9.04 「Jaunty Jackalope」リリースのレビュースクリーンショットツアーの記事をお届けしました。

あの時のリリースは、細かい変更と改善が中心でしたが、『Ubunu9.10(コードネーム:Karmic Koaka』、はデフォルトアプリケーションの大幅変更、起動時間の短縮およびユニバーサルソフトェアストアの導入などこのフリーOSへ新しい光をもたらしました。次のリリースは恐らく来年4月ごろ。何が起こるのかが今から楽しみです!

VirtualBox』でLinuxライフがさらに簡単に!

091221_05virtualbox_splash.jpg

Sun Microsystemsのオープンソース版『VirtualBox』は初心者でも簡単に使えるフリーソフト。しかも時折Windows用のアプリや機能にアクセスする必要がある、という多くのLinuxユーザが抱えている問題を解決してくれます。新機能もどんどん追加されていて、Windowsのゲーム用グラフィックのサポート(英語記事)だけでなく、システム内で別のシステムを走らせている人が重宝するような機能がたくさん。

『Ubuntu』に追加して欲しかった機能リスト(+それに対するレスポンス)

091221_06_ubuntu_apps.jpg

「もしもUbuntu開発者が一カ所に集まっていて5つのことがお願いできるのなら」というテーマでUbuntuに付けてほしい5つの機能、というリストを過去に作成したのですが、その5つは「アップルのよりもマシなアプリストア」「デュアルブートと仮想化の統合」「右脳思考の見直し」「すごいクラウドベースのバックアップ」「まともな動画編集ソフト」。その全てを叶えてくれる、というわけではありませんでしたが、コミュニティーマネージャであるジョノ・ベーコンさんがなんとわざわざ時間を割いて、我々のリストに対する返事(英語)をくれました。

Windows 7とUbuntuが仲良く共存できるデュアルブート環境の作り方

091221_07_dual_boot_splash.jpg

Windows 7もUbuntuも単純にインストールするだけならさほど難しくないのです。最初にWindowsをインストールしてから一部のスペースをLinux用に確保し、Ubuntuをインストール。ですが、便利に使えるように、アクセスや一般的な使用性などを考慮して調整を行っていくには、かなり長い時間の試行錯誤を繰り返さなくてはなりませんでした。その結果出た答えをステップバイステップで書き残してありますので、ぜひ参考にしてください。

安価でパワフルなBoxeeメディアセンターを作成

091221_08_boxee_splash.jpg

アダムによる小さくて静かなXBMCメディアセンターを安価で作成する方法を受けて、パワフルでLinuxベースのBoxeeを中心としたHTPCによるガイドの記事を紹介しました。

次のBoxeeベータ版の具合やプレビルトのBoxee BoxにNVIDIAによるLinuxベースのシステムが含まれることを考慮すると、2010年にはこのBoxeeの設定はピークを迎えそうです!(すべて英語記事)

Google OSに含まれていることを切望する9つの機能(英語記事)

091221_9chrome_os_splash.jpg

ようやくオープンソースのテストドライブを行う、というところまで我々はGoogle Chrome OSに近づけたわけです。

なので、もともと我々が何をこのLinuxベースのネットブックOSであるChrome OSに求めていたのかを振り返ってみたいと思います。スピード同期デスクトップとブラウザの境界線のシームレス化などのメリットが3点。ハードウェア依存、ネイティブLinuxアプリの点でのデメリットが2点。統合されたQuicksilver的なアプリランチャー、パワフルキーボードショートカット、ユーザプライバシー、企業フレンドリーな設定など肩がすくむ思いのする点が4点。

2010年には第一弾の正式リリースも含めまだまだ出てくるはずです。首を長くして待っていましょう。

スリックなLinuxインターフェースの『GNOME Do』およびDocky

091221_10_docky_splash.jpg

Quicksilver的なアプリランチャー『GNOME Do』はユーザよりもシステムをよく理解してくれるかなり頼りになる存在。Dockインターフェースが導入された(英語記事)後、多少不安定にはなったものの、間違いなくさらに便利になりました。

特に、標準の『GNOME』に比べて、スムースで見映えもよろしいインターフェースは特筆に値します。この2つのプロジェクトは別々の道をたどることになったのですが、Linuxのデスクトップ上で並べてインストールしておけば便利なことに間違いはないです。

Presto』はデスクトップをわずか15秒で起動

091221_11_presto2.jpg

無料であった間はWindows向けのクイック起動には『Presto』が頼りになる、と思っていたのですが、試してみたところ15秒以上の時間が必要であり、Xfceデスクトップの簡略化バージョンであるということが判明。また某検索会社のOSという新しいオプションも登場した今、選択肢として無し、とはまでは言いませんが、実際に使ってみて便利だと感じるのはちょっと難しくなってしまったかもです。Chromeがインストールされたり大幅な修正が入ればまた違う話になる可能性もありですが。

Firefox 3.5を1つのコマンドでUbuntuにインストール

6ヶ月に一度のペースでリリースされているにも関わらず、Ubuntuユーザは新しくリリースされたアプリのオフィシャルサポートを常に待ち望んでいる、というのが現状です。最も重要なところで言えば、例えばFirefox。このPythonスクリプトはビルトインFirefoxを使用可能にしてくれます。

Ubuntuポケットガイドが無料でダウンロード出来ます。

著者Keir Thomasポケットガイドのフリーライセンス版をリリース。ライフハッカー的には大きな吉報です。

Elisa』はシンプルで合理化されたメディアセンター

091221_12elisa.jpg

音楽が聴けて、動画や画像が見れれば他の大げさな機能は要らないんですけど、という方は『Elisa』をぜひ使ってみて下さい。見映えもなかなかいけてますよ。

LinuxにインストールするだけでMac風にしてくれる「Mac4Lin」

まるでMacそのものです。Macへの思いも断ち切れないLinuxユーザーはぜひ!

ネットブック用OS界の新星、『Jolicloud』が登場

という、アダムのタイトル通りのネットブックOSです。読み込みが素早い小画面のOS。適応性もかなり高く、幅広いLinuxアプリのインストールが可能です。

人気クロスプラットフォームアプリ

Google Chromeのα/β版リリース

091221_13_chrome-beta-1.jpg

まだ1歳になったばかりGoogle Chromeですが、Chromiumオープンソースハッカー達の功績により、実はLinuxシステム上ではかなり早い段階から使用可能でした。5月にα版、9月にクロスオーバービルトリリース、先週リリースされたオフィシャルベータ。まだChromiumは試してないけど、Chromeは使ってる、という方はGoogle Chromeのパワーユーザガイド2009年版(英語記事)もご覧下さい。

Namebench』で最速のDNSサーバを見つける

091221_14_namebench.jpg

GoogleがフリーDNSサービスを開始しましたが、Googleだからと言って必ず全てにおいて最高だとは限らない、という事例を我々は『namebench』や『DNSネームサーバベンチマーク』によって学んでいます。自分のパソコン環境で、どのパブリックDNSシステムが一番なのかを試してみて下さい!

Google Earth 5.0』がリリースされました!わぉー。

Google Earth 5』はGoogleがLinux向けにちゃんとアップデートし続けている、数少ない幸運なLinuxプロダクト。(アップデートしてもらえないPicasaとは対照的です)。歴史的な画像や海の地図、改善された世界ツアーは、Windows、Macユーザーと同様にLinuxユーザーの読者も使用できるはず。

Firefox (当然な話ですが...)

091221_15firefox_3.5_official.jpg

Firefoxは今年になって初めて、最高ブラウザとしての地位に本当の意味でチャレンジしてくる好敵手・Chromeに出会ったわけですが、まだまだ他のブラウザよりもかなり使われてます。

Firefox 3.5がリリースされ、3.6β版もβ124)ちらほらとリリースされました。LinuxにデフォルトでFirefoxが含まれることが、来年当たり検討されると、かなりの大きな一歩となるかと思うのですがどうなることでしょう。まだまだFirefox時代ですからね。

新機能を搭載した『Thunderbird 3』の正式リリース

091221_16thunderbird-3.0.jpg

Thunderbird 2.0のリリースから色んなものが変更されていますが、Thunderbird 3.0はオンライン/オフラインメッセージハブとして使える十分に気の利いた機能をもたらしてくれました。検索、スマート同期、タブ付きコンテンツなどなど。

『HandBrake』が0.9.4にアップデート。1000以上の変更と64ビットサポート

091221_17_handbrake-top.jpg

Windows/Macユーザの方にとって『HandBrake』はかなり便利なツールだと思いますが、Linuxでは制限されていないフォーマットへのエンコードが非常に困難。なので、コンスタントに更新されているのはとても嬉しい知らせです。AVI/XviDサポートがなくなった今も『Handbrake』は全てのプラットフォーム上での定番動画エンコーダとなりつつあります。

さてさて、かなり長い記事の最後までお付き合い頂きありがとうございます。せっかく此処まで読んで頂いたので、最後にコメントしてもらえると嬉しいです。

Kevin Purdy (原文/まいるす・ゑびす)