キューバ当局が、2008年から首都ハバナで開催されてきた性的少数者のデモ行進「ホモフォビアとトランスフォビアに反対するコンガ(Conga Contra la Homofobia y la Transfobia)」を禁止。2019年5月11日、許可なしのマーチを敢行した参加者が警察に逮捕されました。
詳細は以下。
キューバでは最近、ラウル・カストロ(Raul Castro)国家評議会議長の娘のマリエラ・カストロ(Mariela Castro)が館長をつとめる、キューバ国立性教育センター(CENESEX)がLGBT+の権利向上につとめていたはず。この「コンガ」にもマリエラ・カストロがかかわっていたはずだけど、いったい何が。と思ったら上記APに以下のような説明がありました。
CENESEXが支持していた同性婚への動きは、国内で増加しつつある福音派も含めて多くのキューバ人が反対したため、改憲草案からとりのぞかれた。
a CENESEX-endorsed push for gay marriage was removed from a constitutional reform this year after objections from many Cubans, including the country’s growing ranks of evangelicals.
アメリカ合衆国は最近、(キューバの)同盟国ベネズエラの政府を打倒するための圧力の一環として、キューバに対する禁輸措置を強化した。キューバ政府は概して危機を感じたとき、内部の反対意見を厳しく取り締まる。
The U.S. has recently tightened the embargo on Cuba as part of a push to topple the allied Venezuelan government, and the Cuban government typically cracks down on internal dissent when it feels threatened.
つまり今年のデモ行進は、保守派のバックラッシュと、「カラスの死骸を吊るしておけばカラス除けになる」みたいな見せしめ目的とでお取り潰しになったということみたい。でもカラスのたとえは不適当かもしれませんね、APでも指摘されていますが、ハバナでは4月9日に動物虐待の一掃を呼びかけるデモが許可を得て実施されたばかりですから。つまり、LGBT+は動物以下の扱いというわけ。
キューバの性的少数者たちはこれに屈せず、2019年5月11日に100人以上がハバナのパルケ・セントラルに集まって行進を敢行。デモ隊を解散させようとする私服警官と衝突し、少なくとも3人の参加者が拘束されました。
Moment when one activist was taken away by plain-clothed policemen pic.twitter.com/wQhBaQ8HIK
— Sarah Marsh (@reuterssarah) May 11, 2019
Un colectivo #LGTBI en Cuba organizó una marcha no autorizada, luego de que el gobierno cancelara la marcha anual del #OrgulloGay. El desfile que inició sin incidentes terminó con choques con la policía y algunos detenidos [tg] pic.twitter.com/VbR4VUWR2E
— DW Español (@dw_espanol) 2019年5月12日
まるでハバナがモスクワやサンクトペテルブルクになったみたい。でもまあ、冷戦下の米国だって「同性愛者は共産圏のスパイになりやすい」という理屈でゲイ狩りに精を出したりしていたし、適当な「見せしめ」を作り出すことで不平をそらして社会統合をはかるというのはどこの国にでもあることなんだと思います。負けちゃかんよな。