アドビ、iPadで攻めてます。
本日、アドビから3つのiPad専用アプリが発表されました。うち2つはドラフティングとスケッチ用アプリで、クールな新ハードウェアと連携します。そして最後の1つは、本家Photoshopからツールやワークフローを借りた強力な画像編集アプリ、Photoshop Mixです。
最初の2つ、LineとSketchは表裏一体のアプリです。両方ともフリーハンドや直線を引くためのツールが揃っており、指か、もしくはアドビの新しいスタイラスと定規、Ink and Slideを使用します。2つのアプリはそれぞれ違った描画体験を提供し、新ハードを最大限活用できるようにデザインされています。アプリとハードのハンズオンはこちらへ。
3つ目のPhotoshop Mixはより興味深いアプリで、Photoshop CCで利用できる高度な合成用ツール群を、フリーでiPadに提供します。Mixでは、写真を読み込んで複雑な範囲選択をし、範囲内のみにエフェクトをかけたり他の写真に合成したりする事が可能です。他にもコンテンツに応じる塗りつぶし、Upright、そして手ブレ補正などの機能が搭載されています。
アドビが目指したのは、インタフェースを簡略化し、オートメーションに頼る事で、これらの作業をシンプルで直感的にする事でした。こういった作業に必要な複雑なアルゴリズムを処理するため、アドビはCreative Cloudに計算をアウトソーシングしており、その処理の結果だけがiPadに返ってくるようにしています。つまり、フリーのCreative Cloudへの登録とインターネットが、いくつかの機能のために必要となります。
Creative Cloudとの融合の更なる利点は、Mixで作成された画像は自動的にPSD形式で保存され、デスクトップからも即座にアクセス、編集ができる事です。また、PSDファイルから特定のレイヤだけをMixに読み込み、外出先から作業できます。
現時点では全てのアプリはiPad専用で、今日にもApp Storeで公開されるはずです。しかしアドビによれば、将来Androidで出るか否かは消費者の要望次第とのことです。
これらアプリによるアドビの狙いが、消費者をCreative Cloudのサブスクリプションに呼び寄せる事なのは明確です。クラウドによるサービスを強調することで、お金を払ってソフトを借りているにすぎないというイメージを避けるのは、スマートな方法だと言えます。しかし、iPadを唯一のプラットフォームにするのはリスキーでもあります。コンテンツ作成が最も得意なデヴァイスとは言いがたいですからね。ユーザのiPadでのクリエイティブ熱を冷まさないように、アドビはこれらのアプリを進化させ続けなければならないでしょう。
魅力的な新アプリやハードの他にも、アドビは皆さんが喜びそうな発表を複数出しています。iPad版を完全再現したiPhone用のLightroomが公開され、Photoshop CCとLightroomを月10ドルで使えるプロモーション、Photography ProgramをCreative Cloudの正規の販売オプションにしました。
Michael Hession - Gizmodo US[原文]
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