ディスク積み上げたら4m以上のデータが、ひとつのカートリッジに。
いくら80年代がクールだからって、カセットテープを普段使いしている人はもう多くありません。でも磁気テープはデータのバックアップ用にはまだまだ有用な存在で、企業の大規模データ保存などに活躍しています。そして今、ソニーが1平方インチ(約6.5平方cm)で148GBも保存できるテープを発表しました。
この技術は5月4日、ドイツ・ドレスデンで開かれた磁気応用と情報ストレージに関する学会・Intermagで発表されました。スパッタ・デポジションという手法で、ポリマーフィルムの基板にアルゴンイオンを吹き付け、磁性粒子の層を作り出します。この粒子は直径が平均約7.7nmしかなく、そのため既存手法で作られる粒子よりも高密度になります。
その結果、Blu-rayディスク3枚分のデータが1平方インチのテープに保存できるようになりました。これは言い換えれば、ひとつのテープカートリッジに185TB、つまり50GBのBlu-rayディスク3700枚分、積み上げると4.4mにもなるデータを収められるということです。
ただこのテープは、家庭でホコリをかぶっているラジカセで音楽を聞くためのものではなく、企業がデータを記録として長期保存するときのために作られています。長期保存用であれば、テープの書き込み速度の遅さや、ひとつのファイルを見つけるために延々とテープを巻き続けなきゃいけないことなどがさほど問題にはならないからです。
ソニーはこのテープの発売時期については明らかにしませんでした。でもその日が来たら、それは古き良きテープという手法がさらなる力を持つ記念すべき日となるでしょう。
source: ExtremeTech
image by Shutterstock / Giuliano Coman
Robert Sorokanich - Gizmodo US[原文]
(miho)