私は今、紫色の自家製醸造酒の最後の一滴を飲み終ったところです。甘いけれど、バランスがよく、シュワシュワと炭酸が効いていながら、なめらかな味わい。ヤバイくらい絶妙に調合されたような味わいのこのお酒、実は48時間前にはただのぶどうジュースだったんです。
そうです。あの昔からあるWelch'sのぶどうジュース。思えば、10歳以来こんな甘い飲み物を口にしたことはありませんでした。濃いマルガリータに出会って以降、ジュースは私には甘すぎておいしいと思えないんですよね~。甘いシロップやいろんな添加物で味付けされたようなお酒を好きな人に対して偏見を持っているわけではないのですが...。あ、やっぱり前言撤回...。実は私、お酒、ジュース、食べ物、その他いろいろに関してかなりうるさいんです。
そんな私ですが、Spike Your Juiceをどうしても試してみたかったんです。ジュースを発酵させることで、アルコール度数4~14%のお酒にしてしまうというイーストを原料としたキットで、1杯につき、20gの糖分の入った果汁100%のジュースならば、どんなジュースでもOK。出来上がったものはだいたいビールとワインの中間といった感じでしょうか。1杯に含まれる糖分は30gとヘルシーです。そして、Welch'sのジュースはこの自家醸造にはもってこいなんです。
まず、常温のジュース64オンスにイースト小袋1つ分(パン1斤分の生地に加えるのと同量くらい)を加えます。ジュースのフタを、同封されていたゴム製のフタにかえ、空気が抜けるようにします。
このクイック発酵の過程は、ドイツのブドウから作るお酒、Federweiserの作り方と同じです。実はこのキットで昔ながらのFederweiserを作ることができるそうです。
イーストは果糖とスクロースを吸収し、二酸化炭素とともにアルコールを発します。しばらくすると、しゅわしゅわといい始め、24時間後、ゴーストバスターズ2に出てくるスライムのように泡を吹き出したのです!
ボトルの中の液体が、栓をいきおいよくキッチンのカウンターに吹き飛ばし、妻には「きっと何か有毒なものを作っちゃったのよ。」と非難されましたが、私は何が起こったのかドキドキしながらも、こわくないふりをしました。
次の日、ジュースは落ち着いてきました。まだ時々泡が出てきますが、石鹸のような泡がぶくぶくと立て続けにでてくる感じではなく、シャンパンのような細かな泡です。
1時間ほど前、試しにロックで一口味見をしてみました。きっと飲み込むことのできないようなひどい味になっているだろうと覚悟していたのですが、予想に反して、結構いけました!子供の頃口にしたブドウアイスやグレープソーダ、ブドウ味のゼリーのような懐かしい味。最後にはアルコール分を感じさせるようなかすかなパンチが効いてました。
コップ2杯半くらい飲んだあと、ウォッカを飲んだ時に経験する頭痛と同じ様なするどい不快音が聞こえました。アルコール度数4%どころではなく、きっと8~10%に近かったでしょうね~。
この飲み物を毎日飲めるとは思いませんが、私が子供の頃ににこのSpike Your Juiceがあったとしたら、Welch'sのぶどうジュースの印象は変わっていたかもしれません。しかも、ジュースばかり飲んでしまってこんなに背が伸びなかったでしょうね。
次は、ピーナッツバターをお酒にならないかなぁと楽しみにしています。
Mark Wilson ((原文/ yuko)