9月11日に公開されたいわゆる「吉田調書」には、驚天動地の新事実も、闇を照らす秘密の暴露もない。ここから無理やり特ダネを“捏造”した朝日新聞への大批判は、当然の帰結だろう。調書の作成を主導したのは、政府の「事故調査・検証委員会」の事務局内で最大勢力を占めた検察官たちで、一見すると、冗長で膨大な「羅列」でしかない吉田調書だが、あらかじめ設定された「検察的シナリオ」のにおいが、紙背からそこはかとなく漂ってくる。
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