【4月2日 AFP】オランダ南部マーストリヒト(Maastricht)郊外に致死性ガスのサリンが大量に隠されているとの通報を受け、警察が大規模な捜索を行った。マーストリヒト市長らが1日に記者会見して明らかにした。

 マーストリヒト郊外の森林にサリンが埋められているとの通報を警察が受けたのは3月27日。これを受けて警察は同30日からサリンの捜索を開始するとともに、同日夜、現場に現れたオランダ人の男女2人の身柄を拘束した。2人は埋めてあったサリンを掘り出しに来たとみられている。

 このほかマーストリヒトの近くにある都市ヘールレン(Heerlen)でも共犯者とみられる2人の身柄を確保した。逮捕された21歳から52歳までの4容疑者のうち、1人はオランダとトルコの二重国籍保持者だという。

 警察によると、捜索には化学兵器の専門家も加わり、約400平方メートルの範囲を地表から1メートルの深さまで掘り下げて高性能X線探査装置を用いてくまなく捜しているが、これまでのところ何も見つかっていないという。マーストリヒト市長は記者会見の中で、市民に危険はないと述べた。

 オランダの通信社ANP通信が伝えたところによると、警察は何者かが密売目的のサリンを森林に埋めたとみており、テロとは無関連としている。4容疑者は2日に出廷することになっており、危険物の不法取引、あるいは危険物を隠匿した罪で起訴される可能性がある。(c)AFP