誰もがアナログ盤をつくれる! しかもリスクゼロで!? LP・EP制作・販売プラットフォーム「QRATES」がローンチ

本日4月24日にローンチした、アナログレコードのカスタム制作サーヴィス「QRATES」。その使い心地を、ユーザー第1号となったDJ/トラックメイカーのCarpainterに聞いてみた。
誰もがアナログ盤をつくれる! しかもリスクゼロで LP・EP制作・販売プラットフォーム「QRATES」がローンチ
QRATES」のレコード制作画面。選んだ盤の色もジャケットのデザインも、リアルタイムで完成イメージ画像に反映されていく。

4月24日(金)にローンチした日本発の新しい音楽サーヴィス「QRATES」(クレイツ)がヤバい。何がヤバいかというと、なんとオンラインでアナログ盤を小ロットで誰にでもつくれてしまうのだ。つくれるだけじゃない。販売も行える。さらには「予算がない」なんて方には、クラウドファンディングを行えるサーヴィスも搭載している。

生み出したのはクラブミュージックに特化した配信サーヴィス「wasabeat」を生んだTDMSのペ・ヨンボ。

「ありそうでなかったサーヴィス。これを実現するためにチェコの工場と契約を結びました。100枚からの小ロットから注文可能でクラウドファンディングもできる。ここで販売もできるので、在庫を自分で抱える必要もないんです」。音楽好きにとっては、夢みたいなサーヴィスだ。アーティストやレーベルの新しい収益チャンネルになるだけでなく、個人や企業の内輪向けのギフト需要なんかもありそうだ。

とはいえ、人の音源が勝手に音盤化される海賊盤問題なんかも出てきそう。「たしかに問題です。著作権侵害が起きないよう、眼を光らせていくつもりです」とぺは語る。海外からの注文も少なくないはずで『WIRED』日本版も早々に何らか企画を立ち上げたい意向だが、β版公開に先立ち、栄えあるユーザー第1号となったのは、世界的に注目を集めるDJ・トラックメイカーのCarpainter。この注目サーヴィスの使い心地を本人に聞いてみた。

QRATESのユーザー第1号は気鋭のDJ「Carpainter」だ。アニメーターBahi JDの手掛けたジャケットも迫力満点!

──QRATESの話を初めて聞いたとき、どんな感想をもたれましたか?

企画段階で初めてお話をいただいたとき、レコードが再評価されてきている最近の流れによく合ったサーヴィスだと思いました。

──実際に使ってみての感想は?

初めてレコードをプレスする際の予備知識を基本的に必要としないのでとても手軽でした。ジャケットや色を変更すると3DのレコードCGにすぐに反映される直感的な操作感もつくっていて楽しいです。そして何よりレコードの色、サイズ、枚数といった設定を変えるとリアルタイムに製造費が表示されるのが、普段レコードプレスをしない人にとって大変画期的な機能であると思います。

──音質面、印刷面での商品のクオリティはいかがでしょう?

今回リリースした「Carpainter – Digital Harakiri」のジャケットにはBahi JD というオーストリア人アニメーターに、彼の思うサイバーパンク感あふれる渾身の1枚絵を描いていただいたのですが、実物の12インチレコードを見たとき予想を超えた迫力満点のジャケットになっていました。音質面に関しては、以前データでリリースしたsazanamiという曲をレコード用にリマスタリングして入れているのですが、データリリースのときとは違ったよい質感が出ていると思います。

──今後も使えるな、と思いますか? どんなふうに使いたいですか?

QRATESはレコードをつくることだけでなくネット上で販売することも可能なので、海外も視野に入れたヴァイナルでのリリースをしたいときにもいいのではないでしょうか。

──解決すべき問題があるとしたらなんでしょう?

まだ始まって間もないサーヴィスですので明確な問題というのはわかりかねますが、レコードをQRATES上だけでなく、市販のショップにも並ばせたいといった人が増えてきたときにどう接していくか…でしょうか?

──このサーヴィス、広がると思いますか?

先ほど述べたようにレコードによるリリースが増えてきているいま、個人で簡単にプレスできるこのサーヴィスを待っていた人はとても多かったと思います。


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PHOTOGRAPH BY KOUTARO WASHIZAKI

TEXT BY WIRED.jp_W