こないだ海外旅行に行った時の話。
こう言っては身も蓋もないが、ワタクシそれなりに英語が出来るのでござーます。ヲホホ、インテリゲンチアとでも申すのでしょうか。少なくとも英語しか通じない世界に旅行に行くぐらいでは全く困らないぐらいの。英語エントリで「TOEICテストで○○点を目指す勉強法」の○○点なんてとっくに達成していて全スルー出来るぐらいの!
そんなわけで確かに、今回の旅行でもまったく困らなかった。だがしかし、ただ”困らなかった”だけである。必要なことの情報交換、連絡、伝達なんかは普通に出来ても、なんというか、会話を楽しめていないのだ。会話が出来ていない。
例えば、旅行ガイド(英語スピーカー)との雑談を例にとってみよう。
(日本語に翻訳されています。イメージです)
ガイド「そんなわけで、ここの祭壇では家族の安全を祈ったりするのが一般的なんだ!」
嫁「へえ~、貴方は家族が多くていいわね~」
ガイド「いるよ、子供が二人居るんだ」
嫁「へえ~かわいいだったんだろうねえ」
ガイド「君たちも子供を作れば良いよ!」
嫁「はは~そうね~」
・・・とまぁこんな会話をしているわけですよ。
そうですね!僕が出て来てませんね!上記の会話に僕の心の声を追加してみましょう
ガイド「そんなわけで、ここの祭壇では家族の安全を祈ったりするのが一般的なんだ!」
(なるほどなるほど、、、この祭壇の作りは非常にスペイン文化の影響を感じるな・・・・)
嫁「へえ~、ところで貴方は家族はいるの?」
(えっさっきの話題と微妙にかみあってないぞ・・・?)
ガイド「いるよ、子供が二人居るんだ」
嫁「へえ~かわいいだったんだろうねえ」
(なんだその言い回し!?間違ってる!間違ってるよ!!!)
ガイド「君たちも子供を作れば良いよ!」
嫁「はは~そうね~」
(おおうさすが外人セクハラギリギリやな)
こんな感じ。いっくら僕の方が正確にリスニング出来ても、ちゃんとした言い回しを知っていても、喋らなければクソの役に立ちません。ただ傍目には僕がむっつり黙っているだけ。
これって、日本でも僕そうなんだよね。何人かで話が盛り上がっていると、「まぁ自分は喋んなくていいや」と適当に相づちを打つモードに移行してあんまりしゃべらなくなるの。結局、環境が変わろうが言語が変わろうが、こういう会話のスタイルって全く変わらないんだよね。
無口な奴は何語を喋っても無口!これよ
こんなこともありました。とあるレストランで、隣に座ってた全然しらないお姉ちゃん2人組を見かけて、
嫁「オッ、あの人私と同じカメラ。ヘイ!あなた私と同じカメラね!」
お姉ちゃん「オーウホントだー!奇遇ね~~~!!!どこから来たの~?」
嫁「日本よ!」
お姉ちゃん「おお!ソニーの技術は素晴らしいわよね!(ソニーのデジカメだった)。私はアメリカよ」
嫁「へぇ~良かったら貴方達の写真を一枚とってあげるわ」
お姉ちゃん「ホント!?ありがとう!」
嫁「操作方法は知ってるわ!!ハハハ」パチリ
とまぁこんな具合で、まったくの赤の他人と仲良くなったりしてしまうのはすごいと思うんですよ。
上記の会話なんかをぼんやり見ながら、「コミュニケーションで大事なのは他愛も無い会話だなあ~」などと改めて思いました。
なんというか、女の子ってそういう他愛も無い会話がすごい得意だよね。よくある「女子はよくあんなに延々とおしゃべりを続ける事ができるよな」というアレですよ。あのどうでもよくクダラナイ会話を続けられる事自体が、こう、”文化が違ーう”世界の人間と話すのに、凄まじく有効なんだと思うんですよ。
相手の言ってる事を5W1Hで掘り下げる、会話のしっぽをつかまえて関連する話をする。それを相手に聞かせてさらに5W1Hで詳細を掘らせ、しっぽを捕まえさせる。その繰り返し。要素としてはよくあるコミュニケーションの話だけど、それがあのおしゃべりの中に実践されているんですよ。
おしゃべりさえ出来てしまえば、あとは言語なんて飾りですよ!適当にわかってる単語をつなげちゃえばいいんです!!わかりやすいですね。
女の子のおしゃべりが苦手だったら、オバちゃんのあのウザ絡みする感じ、と言い換えてもいいです。要はああいうアレ。今回の旅行中にもいたけど、別の若い旅行者にガンガン話しかけて、「あらー若いっていいわね~今のウチよ!?」とか「貴方彼氏はいるの?アラいいわね~どんどん恋愛しなさい」みたいなズバズバ質問からの人生訓説教まで、みたいなハイパーコンボをものの10分とかでキメられるアレですよ。
あのオバちゃんにちょっとした英会話でも教えたら、あっという間にグローバルで通用するコミュニケーション力のある人材の出来上がりですよホント。
実際問題、外国人の人は良く質問する。ほら、よく海外留学してる人のブログとかで、「日本人は質問しないし議論に参加しない!」とか吠えてるアレあるじゃん。あれは日本人が参加しないというとそうなんだけど、むしろ外国人が滅茶苦茶ナチュラルに質問なり議論なりをバンバン飛ばすイメージだよね。
今回の旅行でも、そんなシーンは何度か見かけて、ホテルの従業員だろうがツアーガイドだろうがなんだろうが分かんない事は質問攻め。質問攻めからのアメリカンジョーク。そのコンボが出せるのもある意味おばちゃんの突破力に近いものがあるんだな、っていうのはすごく感じるところでした。
というわけでまとめ
・無口な奴は何語を使っても無口
・女子の他愛も無いおしゃべり力、あるいはオバちゃんの突破力を見習おう
・それは多くのグローバル人間が身につけている能力