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せっかくの偉業なのでコメントも多いと思ったら荒れてるだけかい:-(AC見てたら頭痛くなるので、この辺にぶら下げておこう。
まとめ:・何がすごいのか →Physical Review 誌に掲載された。しかも卒論が。
・世界がどう変わるのか →あんまり。でもみんなやる気になるかも。
定義:・解析解 →式から出した計算結果。(この場合は厳密解がだせる式)・厳密解 →誤差の無い計算結果。・近似解 →誤差のある計算結果。・摂動 →そういう影響がある、として計算する。・数値解析 →なんか良さそうな値が出るように式を弄って計算する。
解説: 二体問題は厳密解が出せるけど、三体問題は積分法では特殊な場合をのぞいて厳密解は出せないと証明されてる。(積分法以外は不明。でもみんな多分無理だと思ってる) で、一般相対論(重力が場を歪める)の範囲でその特殊な場合が解けた。 なんで世界が変わらないかというと、天体は3つだけじゃないから。そしてなにより、数値解析で十分だから。 万有引力定数ですら6桁程度の有効桁数しか無いのに、宇宙を飛んでくロケットは実測値に誤差を大きく含む。 エンジニアが計算尺で戦えたのは、有効桁数で計算する工学の世界の話だから。 そして多体問題が問題として意味があるのは、天文屋さんくらい。 だから今すぐには世界は変わらない。でも、人類の知識がまたひとつ広がったことは確か。 いつか積み重なった特殊例が工学的にも使えるようになってくるかもしれない。 いずれにしても三体問題の特殊例とはいえ厳密解を求められる式を組み立て論文にし、 それがPhysical Reviewに載った山田氏は、偉業を成し遂げたと言って良いと思う。
> ・何がすごいのか> →Physical Review 誌に掲載された。しかも卒論が。
それはどうかなぁ。。。
ファーストオーサーが修士以下で、セカンドオーサーが優秀な指導教官である場合、本当のファーストオーサーはセカンドにいるんだろうなぁ、、、と考えるのがこの世界の常識じゃないかなぁ。指導教官が優秀でかつ人徳がある人の場合、ファーストを若手の学生に送って学生の将来に備えさせる、ということはよく行われていることだろう。逆に本当に学生が独自にやった研究なら、それを公にするために単名で書かせるというのが良識だろう(でもってacknowledgementで指導教官に感謝だな)。
physical reviewもlettersでないあたりはちょっと逃げてるかなーとか思ったりもする。ただphysical review dのほうだとページ数制限がないから数式が書きやすくて好きってのもあるかもしれない(physical review lettersは4ページマックス)。あるいはdの方がこの分野では権威があるとかあるのかもしれんが、私はeな研究者なのでそのあたりの雰囲気は分からん。
いずれにしろ学生がファーストオーサーとか論文がphysical reviewであるとかは普通によくある話じゃないかなぁと思う。
タレコミで積分法なんて書いてるけど、求積法じゃないのか?(それとも用語が変わったのか?)「微分方程式を求積法で解く」と言うのは、未知関数と同じ数の保存量 (これを「積分」と言う) を求めれば、積分定数をパラメーターとする一般解が求まる。ということ。(解空間が保存量ごとに細分されて1本の曲線=解にまで分離される)充分な数の保存量があるような微分方程式 (それを可積分系という) しか求積法で解けないが、それよりパラメーターの少ない特殊解は存在してもかまわない。(その例が三体問題の直線解や正三角形解)充分な保存量がない方程式はカオスを作るから、一般の状況ではまともな関数で表すことが不可能。(特殊解の近くのみ可能、それをKAMトーラスと言う)
一応フォローしとくと、求積法(quadrature)の一種が積分法(integration)だね。まあ、定積分を求める手法のことを求積法って言う人も居るし、積分してんだから積分法だって言う人も居る。この辺の(特に日本語の)単語は、数学屋さんと工学屋さんと電気屋さんと物理屋さんで(さらに時代で)範囲が異なったりするから、あんまり細かい突っ込みは野暮って事で。だってスラドだし:-P
今回の論文は、・近似モデルの解析解(方程式)・一次近似の数値解ってことみたいですね。(半ば伝聞、半ば論文斜め読みですが、いちおう)
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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell
今回の発見はノーベル賞級ですか? (スコア:0)
Re: (スコア:2)
> ノーベル賞級の発見なのでしょうか。
ノ~ベル賞は理論のみには与えられないので無理でしょう。
閑話休題
Re:今回の発見はノーベル賞級ですか? (スコア:5, 参考になる)
せっかくの偉業なのでコメントも多いと思ったら荒れてるだけかい:-(
AC見てたら頭痛くなるので、この辺にぶら下げておこう。
まとめ:
・何がすごいのか
→Physical Review 誌に掲載された。しかも卒論が。
・世界がどう変わるのか
→あんまり。でもみんなやる気になるかも。
定義:
・解析解 →式から出した計算結果。(この場合は厳密解がだせる式)
・厳密解 →誤差の無い計算結果。
・近似解 →誤差のある計算結果。
・摂動 →そういう影響がある、として計算する。
・数値解析 →なんか良さそうな値が出るように式を弄って計算する。
解説:
二体問題は厳密解が出せるけど、三体問題は積分法では特殊な場合をのぞいて厳密解は出せないと証明されてる。(積分法以外は不明。でもみんな多分無理だと思ってる)
で、一般相対論(重力が場を歪める)の範囲でその特殊な場合が解けた。
なんで世界が変わらないかというと、天体は3つだけじゃないから。そしてなにより、数値解析で十分だから。
万有引力定数ですら6桁程度の有効桁数しか無いのに、宇宙を飛んでくロケットは実測値に誤差を大きく含む。
エンジニアが計算尺で戦えたのは、有効桁数で計算する工学の世界の話だから。
そして多体問題が問題として意味があるのは、天文屋さんくらい。
だから今すぐには世界は変わらない。でも、人類の知識がまたひとつ広がったことは確か。
いつか積み重なった特殊例が工学的にも使えるようになってくるかもしれない。
いずれにしても三体問題の特殊例とはいえ厳密解を求められる式を組み立て論文にし、
それがPhysical Reviewに載った山田氏は、偉業を成し遂げたと言って良いと思う。
Re:今回の発見はノーベル賞級ですか? (スコア:1, 興味深い)
> ・何がすごいのか
> →Physical Review 誌に掲載された。しかも卒論が。
それはどうかなぁ。。。
ファーストオーサーが修士以下で、セカンドオーサーが優秀な指導教官である場合、本当のファーストオーサーはセカンドにいるんだろうなぁ、、、と考えるのがこの世界の常識じゃないかなぁ。指導教官が優秀でかつ人徳がある人の場合、ファーストを若手の学生に送って学生の将来に備えさせる、ということはよく行われていることだろう。逆に本当に学生が独自にやった研究なら、それを公にするために単名で書かせるというのが良識だろう(でもってacknowledgementで指導教官に感謝だな)。
physical reviewもlettersでないあたりはちょっと逃げてるかなーとか思ったりもする。ただphysical review dのほうだとページ数制限がないから数式が書きやすくて好きってのもあるかもしれない(physical review lettersは4ページマックス)。あるいはdの方がこの分野では権威があるとかあるのかもしれんが、私はeな研究者なのでそのあたりの雰囲気は分からん。
いずれにしろ学生がファーストオーサーとか論文がphysical reviewであるとかは普通によくある話じゃないかなぁと思う。
Re:今回の発見はノーベル賞級ですか? (スコア:1, フレームのもと)
〉> →Physical Review 誌に掲載された。しかも卒論が。
〉それはどうかなぁ。。。
え?「それはどうかなぁ。。。」で済ます?
寝言は一昨日言ってください。
閑話休題
Re:今回の発見はノーベル賞級ですか? (スコア:1)
タレコミで積分法なんて書いてるけど、求積法じゃないのか?(それとも用語が変わったのか?)
「微分方程式を求積法で解く」と言うのは、未知関数と同じ数の保存量 (これを「積分」と言う) を求めれば、積分定数をパラメーターとする一般解が求まる。ということ。(解空間が保存量ごとに細分されて1本の曲線=解にまで分離される)
充分な数の保存量があるような微分方程式 (それを可積分系という) しか求積法で解けないが、それよりパラメーターの少ない特殊解は存在してもかまわない。(その例が三体問題の直線解や正三角形解)
充分な保存量がない方程式はカオスを作るから、一般の状況ではまともな関数で表すことが不可能。(特殊解の近くのみ可能、それをKAMトーラスと言う)
the.ACount
Re:今回の発見はノーベル賞級ですか? (スコア:1, フレームのもと)
〉 タレコミで積分法なんて書いてるけど、求積法じゃないのか?
〉以下略。
日本語でOK。
閑話休題
Re:今回の発見はノーベル賞級ですか? (スコア:1)
一応フォローしとくと、求積法(quadrature)の一種が積分法(integration)だね。
まあ、定積分を求める手法のことを求積法って言う人も居るし、積分してんだから積分法だって言う人も居る。
この辺の(特に日本語の)単語は、数学屋さんと工学屋さんと電気屋さんと物理屋さんで(さらに時代で)範囲が異なったりするから、あんまり細かい突っ込みは野暮って事で。
だってスラドだし:-P
Re: (スコア:0)
今回の論文は、
・近似モデルの解析解(方程式)
・一次近似の数値解
ってことみたいですね。(半ば伝聞、半ば論文斜め読みですが、いちおう)