東京モノレールは9月10日、新型車両の10000形を2014年7月に導入すると発表した。同社が新型車両を導入するのは1997年に導入された2000形以来、17年ぶり。
東京モノレールは現在、1989年から1996年にかけて導入した1000形96両(6両編成16本)と、1997年から2002年にかけて導入した2000形24両(6両編成4本)で列車を運転している。このうち1000形の老朽化が進んでいることから、置き換え用として10000形を導入することになった。
10000形は2000形をベースとし、「スマートモノレール」をコンセプトに新たに設計した。編成構成は2000形と同じモーター付き4両、モーターなし2両の合計6両。最大寸法も2000形と同じで、先頭車は長さ1万6400mm、幅3038mm、高さ4362mm、中間車は1万5200mm、幅3038mm、高さ4362mmとする。また、モノレールとしては初めて車両先頭部に車幅灯を設置する。
車体は2000形と同じアルミ合金製だが、屋根や側面をダブルスキン化して軽量化を図る。また、開閉可能な窓を増やして換気性能を1000形に比べ約2倍向上させる。塗装は「沿線の特徴である豊かな緑をイメージしたグリーン」「空と水をイメージしたスカイブルーとブルーをグラデーションで帯状に配したカラーリング」にするという。
客室内は座席や車両間貫通扉などに「『和』のおもてなしを演出するデザイン」を採用。座席配置は景観を意識したものとし、先頭車はセミクロスシートとロングシート、中間車はクロスシートとロングシート、簡易シートを設ける。クロスシートの間隔は1000形に比べ約20%拡大する。
付帯サービスの強化も図り、スーツケース置き場を充実させるほか、4カ国語の案内に対応した17インチワイド液晶ディスプレイ案内装置を設置。公衆無線LANによる高速インターネット環境も提供する。
走行装置では、制御装置にIGBT-VVVFインバーター方式、ブレーキ装置に回生ブレーキ、台車にボルスタレス台車を採用。ヘッドライトや室内灯はLEDを採用する。また、車体の一部無塗装化や新冷媒を使用した冷房装置の採用などにより、環境負荷の軽減を図る。
このほか、汎用イーサネットを活用した車両情報制御装置を導入。自動点検機能の採用により精緻な故障情報を提供するほか、バッテリーの持続時間を1000形の約2倍にして長時間の停電にも対応する。将来的は汎用無線LANを使用した車両情報の地上への伝送も想定している。
10000形は、東京モノレールが開業50周年を迎える2014年の7月から6両編成1本が運行を開始する予定。その後も増備を進め、老朽化が進む1000形を順次置き換える。