ビーズにふさわしい豆を求めて
張り切ってビーンズをビーズにすべく、材料となる豆を求めて上野アメ横までやって来ました。
これが噂のアメ横か
威勢のよい売り子さんの声が聞こえてきます
実はアメ横は今回が初体験です。へー、こんなお店もあるのかー、とついキョロキョロしてしまいますが、お目当ては豆。
ここアメ横には、豆の専門店があるらしいのです。
美味しそうだけど、これは違う
あ、発見!
豆が豆が豆が、ずらり!
すごいぞ、さすがは豆専門店。店頭には豆ばかりがどっさり並んでおりました。
あれもこれも全部豆。言い換えれば、あれもこれも全部ビーズ候補! これは選ぶにも気合が入るというものです。
できるだけ色のバリエーションが欲しいな~
小豆だけでも種類がたくさん
真剣に豆を見比べていたら、お店のおばさんに「何か探してるの?」と話しかけられました。ビーズにしやすそうなのを! と答えるわけにもいかず曖昧にごまかしていると、「これは今すぐ食べられるよ!」と袋いっぱいの大豆を薦められました。
ごめんなさいおばさん、食べるつもりは全くないんです。でもそんなこととても言えない。ああそっちは煮豆に向いているんですねなるほど。でも食べないし煮ない! ごめんなさい!
食べないけど大切に使いますから!
ずしり、と買い込み完了です。せっかくの初アメ横に浮かれていたものの、豆の重さに体力がずんずん吸われていくので早々に帰りました。早く家でビーズにしてあげよう。
豆、どっさり
味や食べ方などは全く気にせず、100%見た目だけで選んできました。色や形、大きさも様々な6種類です。
オーソドックスな大豆
見慣れた色と形
お馴染みの小豆ですが
普通の小豆よりかなり粒が大きい
黒豆、名前に親近感! 四方って!
形はまんまる
白いんげん、色に惹かれて購入
大きな米粒みたいだ
ひたし豆、別名:青大豆だそうです
淡い緑色が綺麗
とら豆、こんなの初めて見ました!
模様が独特ですね
豆はビーズだ
豆たち、見れば見るほどビーズっぽい。もうこのままビーズだと言い張ってしまってもいいくらい、ビーズ度高い。
これ、ちょこっと紐を通したら普通にビーズとして使えますよきっと。
やってみよう
するすると糸を通していけば、
ほら、ブレスレット完成
数珠っぽくもある
早速ビーンズ・ビーズとしての大きな可能性を垣間見せてくれた黒豆。遠目に見たら、豆だとはまず分からないことでしょう。
本物と比べてみよう
うん、惜しいところまでは来ている。あともう一歩です。
見比べてみると、豆に足りないのはツヤツヤさである、という気がしてきました。
あとは耐久性かな。上の黒豆などは相当な硬さではありますが(針を指すのにかなり苦労しました)、それでもやっぱりただの豆ですから。煮こめば確実に柔らかくなっちゃう物体ですから。ビーズとして使ううちにボロボロになったりくたくたになったりするかもしれない。
となるとやっぱり、表面を何かでコーティングしてあげればいいという話です。
じゃ、君の出番だな!
颯爽と登場、というか東急ハンズで買ってきました、UV樹脂です。紫外線をあてると硬化するコーティング剤です。
私は樹脂が大好きなので、隙あらば樹脂樹脂と言い出します。でもUV系を使うのは今回が初めてなのでちょっと楽しみ。
が、その前に豆の方にちょっと一工夫しなくてはいけません。
このままでは持ち手がないので作業しづらい
なので、これを使いましょう
9ピンとTピンというものを用意しました。先が丸まっているのが9ピン、平らなのがTピン。ビーズアクセサリーの制作によく使われている道具です。
これを豆に刺しておけばコーティング剤の塗布時には持ち手になるのと同時に、アクセサリーに仕立てる際にはそのまま接続金具にもなるので便利! と思ったのですが……。
さ、刺さらない!
実は先の黒豆ブレスレット作りで分かっていたことではあるのですが、豆の硬さ、予想以上!
ピンなんて全然刺さらない、どころか押し付けるとピンの方がぐにゃりと曲がっちゃいます。豆、強し。
しょうがないので一度針を通して
その後ピンを通す、という方式にしました
完成形
ピンを通すとますますビーズに見えてきてとても嬉しい。
嬉しいけれど、この一見何でもないような作業が意外と大変でした。しつこく言いますが、豆は硬い。びっくりするくらい硬い。特に黒豆、あいつの強情っぷりといったらもう!
相当力を入れはするものの
それでも数ミリずつ押しこむのがやっとです
たまに割れちゃったりもする。あーあ…。
2時間の成果
力いっぱいペンチを握っていた右手が痛いですが、どうにか下準備はこれで完了。
楽しい楽しい樹脂コーティングが待っています。ツヤツヤにしてやるからな!
一個一個丁寧に
樹脂で覆っていきます
そして発泡スチロールの土台にプスリと
この艶! すてき!
あとはこれを延々繰り返していきます。
豆ビーズ職人にでもなった気持ちで黙々と塗ってはプスリ塗ってはプスリ。
夢中で作業しているうちに、あっという間に発泡スチロールは豆でいっぱいになりました。
さくさく
わらわら
Tピンの豆も忘れずにね
並んで並んでー!
ずらり! 壮観ですこと!
すでに可愛くてドキドキします。
お祭りの屋台みたい! りんご飴ならぬ、豆樹脂! (食べられないけどね!)
よし、早速日のあたる場所に出しましょう。紫外線で硬化するタイプの樹脂なので、屋内で作業している分には固まらないのです。日光を求めてベランダに向かいます。ちなみに我が家のベランダに日が差し込むのは午前中だけなので、うっかり寝坊などはできません。
豆ビーズ職人の朝は早いのです。
す、すてきだ! かわいいー!
まるで青空に飛んでいく風船のよう!
興奮して、気づいたら同じアングルの写真を大量に撮っていました。
しかし私がきゃーきゃー言ってる間にも順調に紫外線はお仕事をし、10分もしないうちに固まってくれました。ありがとう、夏の日差し。
そして硬化したのがこちら
ぴかぴかだ…!
土台の発泡スチロールが垂れてきた樹脂と一緒に固まっちゃってますが、ピンを丸める際にカットしてしまうので問題なしです。
適当な長さで切って、
反対側と同じように丸めます
これで1パーツが完成。丸めた部分を使って繋いでいけば、自在にアクセサリーが作れます。もうこうなると完全にビーズにしか見えない。豆っぽいビーズにしか見えない!
比較画像・再び
樹脂コーティングが終わったところで再度本物と比べてみましょう。豆がツヤッツヤになったおかげで、ビーズっぽさ大幅増。
これはもうビーズと言っていい。君たちは今日からビーンズ・ビーズだよ! おめでとう!!
以下、ぴかぴかに輝く豆たちをぜひご覧ください。
さあどんなアクセサリーを作ろうかしら! 何でも作れそう!
と、ここで、「わざわざ樹脂なんて使わなくても、ニスか何かじゃダメだったの?」という疑問を抱いた方。
ごもっともです。私もそう思ったので、ニス豆も試してみました。
結果はこんな感じに
比べると、やはり樹脂のツヤツヤっぷりが突出しています。
ニスは普通の水性ニスなのですが、なぜか塗ると同時に豆の表面がくしゃくしゃになってしまってびっくりしました。す、水分がダメだったのかしら……。
その点樹脂だと全く問題ないので、やっぱり樹脂さんは頼れる存在。
豆ビーズ、アクセサリーになる
さて立派にビーズとなった豆たちを使って、早速何か作りましょう。金具と組み合わせるだけのお手軽工作で色々できちゃいます。
まずはストラップ
このツヤ、すごくいい!
ブローチ、黒豆にはとても見えない
ブレスレットをもう一度
耳元でピカピカの大豆が揺れるピアス
こちらはひたし豆が揺れます
何これすごく楽しいんですけど!!
アイディア次第で何でもできちゃいます。豆ビーズたちすごく優秀です。嬉しかったので調子に乗ってどんどん作ってしまいました。いけるよこれ、普通に使えるよ!
お気に入りの豆ひとつぶネックレス
これ、かわいい…!
豆がここまで可愛くなるとは
白いんげん豆の着用例。違和感ゼロ。
普段、街中でこれを着けていても全く問題ないです。そのくらい自然。何ならちょっとしたプレゼントにしてもいいくらいです。
すごいぞ、やっぱり豆はビーズだったんだ! ビーンズ・ビーズだったんだ!
豆を繋いだネックレス
副菜的な使い方でもいける
特に最後のネックレスは普通に気に入ってしまったので、今後も平然と使っていきたいと思います。
もうビーズにしか見えない
ビーズの語源は豆じゃないけど、豆はビーズになれるということです。大豆も小豆も、いんげんも。
しかしこんなにちゃんとしたものができるとは思ってませんでした。その点はやっぱり樹脂が良い働きをしてくれたということで。ありがとう樹脂! ありがとう豆ビーズ!