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【SHIROBAKO】武蔵野アニメーション・宮森あおいへの“電話内容”が毎週変わっていてスゴイ

 最終回まであと2話と迫っているアニメ『SHIROBAKO』。事前の注目度はそれほど高くなかったものの、アニメ業界の生々しい描写が話題を集め、お仕事ものの作品としても「こういう状況あるよな~」「やりがいを思い出させてくれる!」といった声を耳にするようになりました。

 そんな『SHIROBAKO』の舞台となっているのが、アニメ制作会社の武蔵野アニメーション。架空の会社なのですが、アニメ放送に合わせてWebサイトが作られていたりします。なかなか手の込んだ宣伝です。

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 全体的なデザインは制作を担当するP.A.WORKSのWebサイトとまったく同じ。

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 武蔵野アニメーションのWebサイトは本家に比べるとボタンの種類が少ないのですが、ソースには「アニメランナー」「作画の遊び箱」といった項目が入っているので、ソースをコピペして、コンテンツがないところだけ隠した雰囲気がうかがえます。

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 そして、武蔵野アニメーションのWebサイトの「会社案内」のページには、架空の会社なのに住所と電話番号まで詳しく書いてあります。

 住所(東京都武蔵野市境北町2丁目2-11)は現実に存在しないのですが、電話番号(03-6908-8821)は、かけると実際に武蔵野アニメーションにつながります。といっても、もちろん登場人物と話せるわけではなく、主人公の宮森あおいが電話に出るという形で自動音声が流れるのです。

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 せっかくなので、どんなもんなんだろうと筆者が先ほど電話をかけてみた動画がこちら。

 宮森のセリフを書き起こすと、次のようになります。

宮森はい、武蔵野アニメーションです。お世話になっております、宮森です。三女(『第三飛行少女隊』)の最終話の件ですか? 最終話……最終話は……ボツ……全ボツ……野亀先生、激オコでコンテ全ボツ、アリアが飛べない! ムサニも飛べない。むしろ、落ちる。三女が落ちる~! あ~、万策つ……。

 驚いたのは宮森が話す内容が最新話(第22話)とつながっていること。第22話のラストでは、武蔵野アニメーションが制作するアニメ『第三飛行少女隊』で原作者とのトラブルが発生するのですが、それが電話の内容に反映されているのです。

 これはもしかしてと思って、ほかの時期の電話の動画も探してみたところ、3つのパターンを発見。見つかった動画と内容の書き起こしは次の通りです。

▼1月20日(第14話後)

宮森はい、武蔵野アニメーションです。いつもお世話になっております、宮森です。すみません、今ちょっと立て込んでまして~。私、三女でデスクをやることになって、もうやることがいっぱいなんです。スケジュールを申請、作品の資料を作って、スタッフの方にも声をかけなくちゃいけないし、それに3Dリスト作成に設定発注も。え? あとこれを練習しておけ……ですか? 万策尽きた~……って何を練習させるんですか! あっ、そろそろ打ち合わせが。また折り返します。引き続きよろしくお願いします。

▼2月16日(第18話後)

宮森はい、武蔵野アニメーションです。お世話になっております、宮森です。るんるるんるるーん、るんるるんるるーん。え? 機嫌良さそうなの分かっちゃいます? 実は~、矢野先輩が戻ってきてくれたんです~。は~、神様仏様矢野エリカ様~。持つべきものは頼もしい先輩ですよね。差し入れに羊羹までいただいちゃいました。この羊羹を食べて~、よ~よ~よ~かん、よ~し行くぞ~。ではでは、今日も頑張ります。

▼3月1日(第20話後)

宮森もしも~す、武蔵野アニメーションっす。お~、お疲れさまっす。みゃーもりっす。何か変っすか? 変……よね~。すみません、いつも明るい高梨さんみたいにしてたら、少しは元気が出るかな~と思ったんですけど……出ないですよね。私、最近、疲れてるのかな? 高梨さんは相変わらず元気だし、平岡さんとは最近スペシャルな関係みたいだし。あ~、私もバディが欲しいよ~。はっ、すみません! 失礼します!

 いずれの内容も直前の物語とリンクしています。つまり自動音声は毎週分用意しており、どこかのタイミングで変えているのでしょう(1月20日分は第13話と共通かも)。

 なお、同様の試みは同じくP.A.WORKSが制作を担当していた『花咲くいろは』(2011年)でも行っていました。ただ、『花咲くいろは』では毎週更新するほどではなかったようなので、『SHIROBAKO』ではより気合いを入れて仕掛けていることが伝わってきます。

 最初の方でどんな自動音声が流れていたのか分からないのが残念ですが、最終回に向けてどのような内容に変化していくのか、本編とともにチェックしていきたいところです。

追記】3月19日23時30分からTOKYO MXで第23話が放映されたのですが、そのすぐ後、3月20日0時ごろに自動音声が次の内容に差し替えられました。ネタバレになるので深くは説明しませんが第23話の実質的なCパートになっていますね。

宮森:はい、武蔵野アニメーションです。お世話になっております、宮森です。はい、撮入れの件ですよね。9話は予定通り、本日入れきれそうです。(?)の入れが少し遅れまして、ひとまず3話のリテイクを優先しておいていただけますか。な、泣いてる? 違いますよ~、この時期は花粉症がひど……へ……へ……へっくしょん! 失礼しました。早くドーナツ食べて治さないと。それでは失礼いたしまーす。

 →【SHIROBAKO】最終話後も武蔵野アニメーションの宮森あおいに電話してみた