仏アレバ、福島第一原発事故による事業遅れなどで営業赤字に

By ロイター編集
仏アレバ、福島第一原発事故による事業遅れなどで営業赤字に
 12月12日、フランスの原子力大手アレバは、今年の営業損益が赤字になるとの見通しを示した。写真はフランス南部、トリカスタンにある同社の原子力発電所で11月撮影(2011年 ロイター/Michel Euler/Pool)
[パリ 12日 ロイター] フランスの原子力大手アレバは、日本の福島第1原子力発電所の事故によるプロジェクトの遅れや受注のキャンセルに絡んで23億6000万ユーロ(31億米ドル)の費用を計上することを明らかにし、今年の営業損益が赤字になるとの見通しを示した。
アフリカのウラン鉱山のさえないパフォーマンスやフィンランドの次世代原発の建設の遅れに関連した減損処理の結果、2011年の営業損失は14億─16億ユーロになる見込み。
アレバは、バランスシートの強化に向け、12億ユーロ超の資産を売却する計画としている。同社は、売却する資産について特定していないが、フランスの戦略的投資ファンドは、アレバが保有する鉱山会社エラメットの株式26%を取得したい意向を示している。
アレバは雇用に関して言及しなかったが、労働組合関係者がロイターに語ったところによると、同社は早ければ2012年にドイツで1200─1500人を削減する計画で、フランスでも来年採用と給与を凍結する方針という。
アレバのウルセル最高経営責任者(CEO)は12日、今後数年間に電力需要が拡大する見込みであることから、原子力エネルギーと再生可能エネルギーについて引き続き強気な見方を示した。
同社は12─13年を移行期間とし、実質ベースの原子力エネルギー関連収入が年間3─6%増になると予想。実質利益は12年に見込まれる7億5000万ユーロから13年に12億5000万ユーロ超に増加するとの見通しを示した。
14年からは実質ベースの原子力エネルギー関連収入は年間5─8%増に伸びが加速し、再生可能エネルギー関連収入は15年までに12億5000万ユーロを上回る見通し。

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