サンフランシスコ発--Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は米国時間9月28日、同社に対する人々の評価が極端に分かれる理由を非常に分かりやすく示した。
Schmidt氏はTechCrunch Disrupt 2010で基調講演を行い、約20分を費やして将来に対する自身のビジョンの要点を述べ、その後同イベントの聴衆の質問に答えた。Schmidt氏が語ったのは、モバイルデバイスがデスクトップPCよりも重要な存在になってきていること、クラウドコンピューティングを通して提供されるソフトウェアには多くの利点があること、そして、コンピュータは人生の質を高められることで、同氏の公の発言を詳しく追っている人にとっては、特に目新しいことはなかった。
しかし、往々にして重要なのは話す内容ではなく、その内容をどう伝えるかだ。Schmidt氏が描いたテクノロジの理想郷は、コンピュータによって人間がよくなっていくと本当に信じている人々は感動を覚えるもので、コンピュータによって人間性が奪われ、世界に全く新しい問題が生まれると懸念している人々は恐怖を覚えるものだった。
例えば車の運転だ。「自動車は自動で走るべきだ。人間が車を運転するというのは、わたしにとっては驚きである。コンピュータよりも前に自動車が発明されたのは何かの間違いだ」。Schmidt氏はこのように語る。
理論上は、自動車を時速55マイル(約88km)で2本の車線の間を走らせることに関して、疲れた人や集中力のない人、酔っ払った人、近視の人よりコンピュータが劣っていると主張するのは困難だ。しかし、そういった状況では、コンピュータ運転の自動車が、人間が作ったソフトウェアを実行するということが考慮されていない。人間が作ったソフトウェアには必ず欠陥が紛れ込み、あらゆる結果を引き起こす可能性がある。また、車の運転を実際に楽しんでいる人々ががっかりすることは言うまでもない。
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