日本オラクルは7月4日、地図情報システムの開発基盤の新版「Oracle Location-Based Services フレームワーク(LBSフレームワーク) バージョン2.0」を発表した。新版では、図形描画の機能を追加した。ブラウザに表示された地図上でマウスをクリックしながら多角形を入力し、そのエリア内のみの情報を検索・表示できるようにした。

 LBSフレームワークは、地図画像に経度・緯度などの位置情報と、位置情報とリンクした情報などを重ねて表示する。例えば、自社の拠点の売り上げや、顧客企業の取り引き情報などを表示できる。GIS(地理情報システム)と異なり、あらかじめ設定した地図そのものから道路などの情報のみを抜き出して表示したりすることはできないが、少ないサーバーの処理負荷で自由に地図をスクロールしたり、ズームインやズームアウトをしたりすることができる。これはLBSフレームワークが、画像データをサーバー側でキャッシュするため、検索の都度、画像を生成する必要がないためである。

 「Googleの地図情報検索サービスをきっかけに、地図を自由にスクロールできる技術に対する民間企業の注目度が上がってきた。これまでのGISは公共機関の利用が中心だったが、LBSフレームワークで民間企業への普及を促進する」(アドバンストソリューション本部 林徹本部長)。

 LBSフレームワークは、伊藤忠テクノサイエンスやキヤノンネットワークコミュニケーションズなどのパートナー向けに無償提供する。LBSフレームワークの利用には、別途、Oracle Database 10g、Oracle Application Server 10g、地図のASP契約が必要となる。

岡本 藍=日経コンピュータ