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Project Vineは2006年11月22日,最新のLinuxディストリビューション「Vine Linux 4.0」を公開した(写真1,関連記事「インストール完全ガイド『Vine Linux 4.0』」)。Vine Linuxは日本語対応で定評のある,国産のLinuxディストリビューション。最新版も,見やすさを重視した独自の日本語フォントの採用や,より使いやすい日本語入力ソフトの採用など,その特徴を引き継いでいる。
Vine Linux 4.0のカーネルには,バージョン2.6.16.29が採用された(写真2)。Vine Linuxとして2.6系カーネルの採用は初めて。従来は,動作の安定性を重視して,バージョン2.4系が用いられてきた。また,glibcにはバージョン2.3.4,gccにはバージョン3.3.6が採用された。
X Window Systemには,X.Org X11 R6.9.0が採用された。標準のデスクトップ環境として,「GNOME 3.3.6」が利用できる(写真3)。また,追加用のパッケージ集である「Vine Plus」から,もう一つのデスクトップ環境「KDE 3.3.5」を入手可能だ。
前バージョンまではかな漢字入力および変換ソフトとしてそれぞれ,「kipnut2」と「Canna」が用いられてきた。4.0では「SCIM 1.4.4」と「Anthy 7900」に変更された。デスクトップ環境のメニューなどの日本語フォントには,さざなみゴシックをProject Vineが独自に改良した「VLゴシック」を採用した(写真4)。
インターネット関連のアプリケーションには,Project Vineが独自にビルドしたWebブラウザ「Firefox 2.0 コミュニティエディション」,メール・クライアントには「Sylpheed 2.2.10」が組み込まれた(写真5)。
画像処理関連にはフォトレタッチ・ソフトの「GIMP 2.2.12」,画像ビューアの「gThumb 2.6.9」(写真6),マルチメディア関連ではメディア・プレーヤの「BMP 0.9.7.1」,動画プレーヤの「Totem 1.4.5」(写真7)などが利用できる。
Vine Linux 4.0のインストールCDはCD-ROM1枚だけであり,「Fedora Core」や「openSUSE」といった他のディストリビューションと比較してコンパクトである(Vine Linux 4.0のインストールCDは,12月8日発売の日経Linux2007年1月号の付録メディアに収録されている)。そのためインストールCDには,オフィス・ソフトは組み込まれていない。オフィス・ソフトを利用したい場合は,前述のパッケージ集Vine Plusから,「OpenOffice.org 2.0.3」を入手して導入できる。
Vine Linux 4.0では,従来同様,RPM(RPM Package Manager)形式のパッケージ管理を採用した。ただし,パッケージ管理システムとしては,Debian GNU/Linuxなどで使われているaptコマンドも利用できる。そのため,aptコマンドをグラフィカルな画面上で簡単に操作できるソフト「Synaptic 0.57.2」が利用できる(写真8)。Synapticを利用すればVine Plusで配布されているパッケージについても,入手およびインストールが簡単に行える。