室温・湿度管理でインフル予防
20度以上、50~60%が理想
日本経済新聞電子版
温湿度セットで
一般的な湿度表示で見る数値は「相対湿度」と呼ばれる。もう一つ、インフル撃退に重要な指標は空気1立方メートルあたりに含まれる水蒸気の重さ(グラム)の「絶対湿度」。「例えば湿度が50%とあっても、気温18度のときの絶対湿度は約8グラム、同30度なら同15グラムになる」と庄司内科小児科医院(仙台市)の庄司真院長。
さらに「絶対湿度11グラム以下ではインフルエンザが流行し始めるので、湿度と温度はセットで見てほしい」(庄司院長)と指摘する。ハーパー氏のウイルス生存率の実験結果に基づき、長年インフルエンザの流行実態と気象条件との関係を解析してきた。
温湿度計で、絶対湿度を「乾燥指数」「インフルエンザ警告表示」などと呼んで表示する機器も普及し始めている。「試してみるといいだろう」(瀬戸口教授)。
乾燥させすぎないためには、暖房器具の使い方にも工夫が必要。最も乾燥しやすいのがエアコンだといわれる。熱交換器に付着した水分を積極的に屋外に排出するためだ。石油ストーブやガスファンヒーターは燃料が燃える際に水蒸気が出るが、エアコン、電気ストーブなどは水蒸気は発生しないため、加湿しながら利用するようにしたい。
加湿関連商品も種類が豊富だ。睡眠時に顔周りを集中的に保湿する保湿機や、室内環境の状態を色や音声で通知するセンサー、空気清浄機に加湿器を搭載したものもある。水を沸騰させるスチーム式、水を細かな粒々にして吹き出す超音波式、風を送って水を蒸発させる気化式などがある。
- 次ページ
- ワクチンだけでは感染防げない