頭痛の引き金になる可能性がある10個のファクター
by Mislav Marohnić
緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛と大きく3タイプに分けられる頭痛ですが、症状は人さまざまで原因は日によって異なったり、複数の要素が重なることで頭痛が引き起こされたりもします。科学的にも原因の特定は難しく、治療の際は頭痛日記をつけることで個人個人における頭痛のトリガーをはっきりさせることが多数です。そこで、The Huffington Postはイェシーバー大学アルベルト・アインシュタイン医学校助教授のBuse氏とジェファーソン大学病院頭痛センターのセンター長Silberstein氏の話をもとにそんな頭痛の引き金になる可能性がある10個のファクターを紹介しています。
Migraine Triggers: 10 Surprising Culprits
http://www.huffingtonpost.com/2013/06/17/migraine-triggers-food-sleep_n_3451777.html
◆01:睡眠
by Eric Parker
睡眠不足が頭痛を引き起こすことはよく知られていますが、休みの日に睡眠を取りすぎることもまた頭痛を引き起こします。頭痛持ちの人の脳はできるだけノーマルで、確実で、決まり切ったきったことを好み、睡眠スケジュールも例外ではありません。Buse氏は土日であっても平日と同じような睡眠スケジュールを取ることを勧めており、少なくとも平日と休日のスケジュールの差を1時間以内に収めることで頭痛を避けることができるとしています。また週末にいわゆる社会的時差ぼけを起こさないことは、健康上も大切です。
◆02:ストレス
by Marsmettnn Tallahassee
ストレスの後すぐにリラクゼーションがあることも頭痛を引き起こします。ストレスのかかっている最中には緊張によって収縮していた血管が、リラックスすることによって拡がったり、ストレス反応によって体内で生まれていた化学物質がリラクゼーションに入って一気に静まったりすることが原因です。化学物質のそのような変化は「週末頭痛」と呼ばれるタイプの頭痛を引き起こします。ストレスの多い仕事から解放されたバケーションの初日やハネムーンの初日に頭痛が起こるのはこれが理由です。実際に2011年の米国神経学協会の年次ミーティングでBuse氏が示した研究によると、「悲しい」「ナーバス」な雰囲気から「楽しい」「リラックス」した雰囲気に環境が変化した人は12~24時間後に頭痛になる可能性が20%も上昇したとのこと。
◆03:雨
by Conor Keller
頭痛と天候との関係を示す決定的な研究結果はまだ出ていませんが、頭痛患者の多くは雨の日に症状を訴えます。天候を左右することはできないので、雨の日にはよりいっそうトリガーを回避するケアを行う必要があります。
◆04:エストロゲンの変動
by Jack Fussell
月経や生理、ピルの服用、妊娠、出産後、閉経、経口避妊薬の服用量の変更など、エストロゲンの変動も頭痛を引き起こす可能性があります。また、それだけでなく、エストロゲンの変動は頭痛の閾値を低くして他のトリガーの影響を受けやすくします。排卵と月経の間に頭痛が起こっていることがわかれば、ホルモン期間の75%を除去する経口避妊薬の服用を医者に相談することも可能です。
◆05:食べ物
by LenDog64
頭痛と食べ物の関係も明らかになっていないものが多くあるのですが、Buse氏によると赤ワインや熟成させたチーズ・加工肉などに含まれるチラミンや、コーヒー・紅茶・赤ワインなどに含まれるタンニンが頭痛の原因になる可能性があるとのこと。アスパルテームやグルタミン酸ナトリウム、亜硝酸塩などの科学調味料も頭痛の原因となると言われていますが、こちらも裏付けとなるような研究結果はまだ出ておらず、科学的根拠はまだありません。セリアック病やアレルギーの人々はグルテンを原因として頭痛が誘発されるなど、人によって食べ物との相性もさまざまなので、何を食べた時に頭痛が起こるのか、日記をつけてみるのも一つの方法です。ただし頭痛のために極端な食餌療法を行う場合はまず医師に相談するように、とのことです。
◆06:香水
Spreng Ben
職場の同僚がつけている強い匂いの香水もまた、片頭痛患者にとって誘因の一つです。強い光(太陽・PCや映画館のスクリーン)や強い匂い(タバコや香水)、大きな音など感覚刺激はすべて頭痛を引き起こす可能性があるとBuse氏。刺激に堪えられない場合、例えば外では年中サングラスをつけたり、可能なら同僚に香水を控えめにしてくれるよう頼むことも考えてみて下さい。
◆07:コーヒー
by Eric
コーヒーに含まれるカフェインは頭痛に対して2種類の働き方をします。つまり、カフェインの摂取しすぎは頭痛を引き起こしますが、一方でカフェインは血管を収縮させるため、二日酔いによる片頭痛を抑える作用もあるのです。あるいはあなたが1週間ずっとオフィスや家でコーヒーをがぶ飲みしている場合は週末頭痛を引き起こす可能性もある、とSilberstein氏。カフェインに関係した頭痛を避けるために、Buse氏は日常的に摂取するカフェインの量は最高コーヒー1杯分、200mgにすることを勧めています。
◆08:楽しい時間
by andrew_mc_d
Silberstein氏によればアルコールをアセテートに代謝させる体の作用もまた頭痛を引き起こす可能性があるとのこと。午前中の頭痛を避けるためには節度ある飲酒を心がけ、飲酒前にはAleveやMotrin(アメリカで販売されている痛み止め)といった薬を飲むことも提案されています。全てのアルコールが頭痛を引き起こし得ますが、Buse氏の経験からテキーラやバーボンといった色の暗いお酒や赤ワインはより頭痛の原因となるように見えるとのこと。
◆09:セックス
by Rowena Waack
セックスを含んだ運動全般が頭痛を引き起こす可能性があるとBuse氏。これも正確な理由は明らかでないのですが、体調の悪い人や頭痛の初期段階にある人など、神経系が敏感になっている人の脳内で化学変化が起こるのだと考えられています。一方で規則正しく汗をかいた人で頭痛を軽減することに成功した人も存在するようです。定期的な運動によって体自身で鎮痛剤を作ることが可能であり、また2013年3月にはセックスで片頭痛が治るという研究結果も発表されています。エクササイズを行うことに問題がある場合はヨガや水泳などをBuse氏は提案しています。
◆10:昼食を抜くこと
by » Zitona «
すでに書いたことですが、規則正しいルーチンは片頭痛患者の鍵であり、食事を抜いたり急いで食べたりということは頭痛を引き起こす可能性があります。これも正確な理由は明らかになっていないのですが、体内のグルコースレベルと関係があると考えられています。規則的に食べることは頭痛を避けるために非常に重要です。
通常であればワインを1杯飲んだり食事を1食抜いたりしても問題なくとも、その日たまたま睡眠が取れていなかったり、仕事でストレスがたまっていたり、雨の日だったりとさまざまな要素がミックスされることで頭痛は引き起こされます。昨日の頭痛と今日の頭痛で原因が全く違うことも考えられるのです。そのため、頭痛をコントロールするにはバランスの取れた食事と定期的な運動、ストレスマネージメントを組み合わせて健康的な生活を送ることが重要になってくるとのこと。また頭痛が起こる数日前あるいは数時間前に筋肉がこわばったり一定の食べ物が欲しくなったりという前兆がある場合もあるので、頭痛ダイアリーやアプリで記録をつけることもオススメです。
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