ほぼ無限にトマトを増殖させていく方法
By Nina Matthews Photography
ガーデニングの中でも最もポピュラーな植物の1つがトマトですが、新しく苗や種を購入しなくともお気に入りのトマトをほぼ無限に増殖させることができる方法をArs Technica上でJacqui Chengさんがまとめています。
How to create near-infinite clones of your favorite tomato (or any) plant | Ars Technica
http://arstechnica.com/science/2013/04/how-to-create-near-infinite-clones-of-your-favorite-tomato-or-any-plant/
まず用意したのは生後2週間のトマトの苗木。赤ちゃんなので成長したトマトよりも丁寧に扱います。なぜ赤ちゃんの苗木を使ったのかというと、植物を育てる際、苗が密集しすぎて日光不足や肥料不足になってしまわないよう一部の植物を間引く必要があるのですが、間引いた苗もまた別の場所で育てることができるからです。写真の苗は根っこがカットされていますが、これは隣の苗木と根が絡まりすぎていたため。なお、トマトの増殖は赤ちゃんの苗木でなくとも可能です。
必須ではないのですが、ガーデニングを行う人の中には根の成長を促すため茎に切り目を入れることもあります。
茎の下部を斜めにカットしてもOK。
根を生やすために植物の成長を促すホルモン「オーキシン」を含む植物発根促進剤を使用する人もいるのですが、Chengさんによればこれは全く不要。また発根促進剤は農薬を含むものも多いため、有機栽培を行う時は使うべきではありません。とは言ってもそのままでは根が生えにくい植物があるのも事実なので、茎を傷つけたりカットすることによってその箇所におけるオーキシンレベルを押し上げてやるのが方法の1つ。またトマトの場合は成長した苗を隣に埋めてやるのも1つの手です。
そして発根促進剤を使った場合でも使わなかった場合でも、カットした次のプロセスは土の中に茎を埋めるということ。この時、Chengさんは堆肥を使用しましたが、必ずしも堆肥を使用しなくてOK。庭の土や専用に買ってきたものを使用ても問題ないのですが、芝生の土はあまり使用しないほうがいいそうです。なお、この時カップの底に穴があいていることを確認してください。
そして土の中に苗木を植えることができたら、たっぷり水をやり、カップごとすっぽりとビニール袋で覆ってやります。
苗木が根を生やしている間は葉を通して水分がどんどん失われていってしまうので、ビニール袋をかぶせることで枯れないようしっかりと水分を確保してやる必要があります。もしビニールをかぶせても、植え替えて数時間で苗木が目に見えてしぼんでいったとしたら、それは根が水を吸っていないということ。根がない状態で土から水分を吸収するというのは植物にとって非常に難しいことで、切花を土ではなく水に直接入れるのはそのため。しかし、もし苗木がしぼんでしまっても、2~3日経てば根が生え、また復活するので心配しないでください。
ということで無事成長したトマトはこちら。
成長したトマトからさらにクローンを作っていきます。天辺に生えている新芽をカットしてもいいし、茎の途中から生えているものでもOKですが、古い葉っぱだけは選択肢には入りません。小さな葉をつけた、これから成長していく茎だけをカットしてください。
茎を斜めにカットします。
しかし、このままでは葉が大きすぎて、根を生やす際に大量に水分が奪われることになってしまうため、下の方から生えていた大きな葉っぱを全てカット。最も小さな葉だけを残しました。
花のつぼみも本当はカットすべきなのですが、敢えて残すことによって根が生えた後すぐにトマトの身をつけることができるかを実験してみたそうです。もちろん苗がすくすく育つことが第一なので、邪魔になりそうならカットします。そして上記と同様に水をたっぷりやり、ビニール袋をかけ、窓辺で日光を浴びさせます。この時土が十分に湿っているかどうかを確かめることを忘れずに。
一週間もすればこんな感じでしっかりと根が生えてきます。中の様子が見えるようになるため、発根プロセスの時は透明なカップを使用するのがオススメとのこと。
このように茎をカットして新たな苗を作り、という方法でトマトを無限ループで作ることができます。なお、トマトだけでなく、バラやバジル、唐辛子やナスなど、さまざまなハーブや野菜などのクローンを作ることも可能です。
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