2014.07.22
「太りすぎ」よりも「痩せすぎ」のほうが健康に悪いって本当!?
ニュー・サイエンティスト(UK)より"太りすぎ"は不健康の証――そう考えている人は多いだろう。肥満は、高血圧や脳卒中、心臓疾患や糖尿病の原因となるといわれ、米国では、「喫煙に次いで予防できる死因」だと指摘されてきた。だが、最近の研究によると、肥満の人のほうが痩せている人よりも健康だといえる場合も多いという。
たとえば、2012年にスウェーデンで行われた、心臓疾患の患者6万4000人を対象とした調査では、標準的な体重の患者より、肥満の患者のほうが死亡するリスクが低いことが明らかになった。一方、痩せ型の患者は、死亡リスクが3倍にもなったという。また、糖尿病や腎疾患といった病気についても、肥満の患者のほうが標準体重の患者より死亡する確率が低いという研究報告もある。
ニュー・サイエンティスト(UK)より
体重と健康に関する指標としては、ボディマス指数(BMI)が国際的に広く知られている。これまで、BMIと死亡リスクの相関をグラフ化した場合、おおむね右肩上がりの直線的な図になると考えられてきた。しかし、最新の研究によると、その相関はなだらかなU字を描くことがわかってきている(上図)。
これらの事実の背景となる詳しいメカニズムについては、まだ完全に明らかにはなっていないが、体脂肪に含まれるエネルギーや抗炎症性の物質が、身体を病気から防御する働きをしているのではないかと、専門家は推測している。
COURRiER Japon
2014年8月号
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