2013.02.23

日本銀行総裁候補は武藤、岩田、黒田の3氏に絞られた!? 「事前報道ルール」撤廃で加熱するスクープ合戦を整理すると・・・

黒田東彦アジア開発銀行総裁 〔PHOTO〕gettyimages

 次期日本銀行総裁を巡るマスコミ各社のスクープ合戦は、いよいよ臨戦態勢に入ったと言えよう。与野党国対委員長協議で「事前報道ルール」が撤廃されたことで、何処が総裁人事をスッパ抜くのかに関心が集中している。

 この間の各社総力戦報道を整理してみよう。口火を切ったのは、2月7日売りの『週刊文春』(同14日号)の「『日銀総裁の覚悟はある』最有力候補岩田規久男教授が本誌に断言」であった。岩田学習院大学教授は同誌インタビューに「今が日本にとって(デフレ脱却の)ラストチャンスです。金融緩和で国を立て直す。自分にとって、最後の仕事だと思っています」と答え、次期総裁への意欲を隠さない。

 次の花火は『産経新聞』(2月10日付朝刊)が打ち上げた。同紙は一面右下に「日銀総裁、黒田氏が有力」の見出しを掲げ、財務省で国際金融を統括する財務官を3年にわたり務めた黒田東彦アジア開発銀行総裁の起用が有力になったと報じた。その根拠として、安倍晋三首相が8日のBSフジの番組で、新総裁の起用条件について「財務省の人は全部ダメという論理はおかしい。国際金融をやっていて金融マフィアと交流がある人もいる」と語ったことを挙げた。

武藤氏は候補から外れたとの見方も

 このスクープ合戦に外国メディアも参入した。15日午後1時過ぎ、ロイター通信が「政府筋によると、日銀総裁人事は武藤敏郎元財務事務次官を軸に最終調整に入った」と配信したことで、一部のヘッジファンドが懸念していた「武藤総裁有力=失望売り」に走って、瞬間風速だったが、日経平均株価は一時240円安となった。翌日の16日には米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が次期総裁候補は武藤氏と岩田一政日本経済研究センター理事長の2人に絞られたと報道。

 そして『読売新聞』(2月20日付朝刊)が「日銀総裁人事 大詰め―4氏に絞込みか」との大見出しを掲げ、岩田(一)、岩田(規)、黒田氏に加えて伊藤隆敏東京大学教授の名前を挙げ、みんなの党(渡辺喜美代表)が財務事務次官経験者の起用に反対していることなどから武藤氏は候補から外れたとの見方が出ている、と報じた。

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