メタルウルフカオスとは、
大統領魂
である。
解説
メタルウルフカオス(Metal Wolf Chaos)とは、フロムソフトウェアが2004年に発売したXbox用ゲームである。 通称&ジャンルは大統領。
「副大統領のクーデターによりホワイトハウスを追われた大統領が単身祖国解放のために戦いを挑む」
という破天荒なストーリーだが、それ以上に登場人物のキレたセリフ回し・行動、素敵性能溢れるメカニックや荒唐無稽を極めた演出に定評があるバカゲーである。
発売は国内にのみ留まったものの、コアな海外ゲーマーにもバカウケしている。
2009年にフロムが発売した『ニンジャブレイド』と一部世界観が共通しており、主人公のマイケル・ウィルソン・Jrの父、マイケル・ウィルソンが登場している。詳細は個別記事を参照。
なお、この作品に対してツッコミを入れるのは無粋というものである。
理由は、「何故なら私はアメリカ合衆国大統領だからだ!」というセリフでお判り頂けるであろう。
登場人物
- マイケル・ウィルソン・Jr
『レッツパーリィィィィィィィィィ!!』
第47代アメリカ合衆国大統領。水没以外の全ての事象を「自分がアメリカ合衆国大統領であること」、および大統領魂によって解決させることが可能な大統力の持ち主。武器を手にするためなら偉大な父親の銅像だって破壊してみせる。
ある意味でフロム作品最強のキャラ。先述の通りアメリカでは発売されていないにもかかわらず、『海外サイトが選ぶゲームの政治家』1位に輝いた経歴を持つ。
元アメリカ陸軍少佐、メダル・オブ・オナーの受賞歴を持ちながら現役大統領、しかも3○歳と言うと分かる人はどんだけ凄いのか分かる。
彼が口にする決め台詞「How do you like me now ?」とは、元は「私のことを好きになってくれた?」という意味。親睦会のシメに、引っ越してきた者が”自分に親しみを持ってくれたか”を聞く、ホームパーティーの多いアメリカならではの台詞。しかし同時にパーティーの終わりを告げる台詞でもあるため、裏の意味で「パーティーは終わったからとっとと帰れ」が生まれてしまった。要するに「消え失せろ」(動画コメントより抜粋)
冒頭の「レッツパーリィィィィ!」に対応した、大統領らしい〆の台詞である。そしてこれを「これが"大統領魂"だー!!」と字幕で訳してしまうあたりフロムの変態さが表れている。 -
- リチャード・ホーク
『ンムフハハハハハハ、とってもスウィートだよマイコォ! 練乳を一気飲みしたくらいになぁ!!』
副大統領にして本作の黒幕。自称『ラストアメリカンヒーロー』。独特のイントネーションと高笑い、テンションの高さが最大の特徴。
ある意味でフロム作品史上最狂のキャラ。ニコニコ動画においてはりっちゃんと呼ばれる。
マイケルとは陸軍時代からの同僚だが、選民主義で部下の切り捨ても厭わなかった為、功績こそマイケルを上回っていたがメダル・オブ・オナーの受賞には至らなかった(今回のクーデターもこれらが原因だったという説がある)
自国民を巨大兵器のモルモット代わりにしたり、果ては毒ガスによる駆逐や人身売買まで平然とやってのける。一方で正義は我にありとプロパガンダを流すのも忘れない、まさに悪役の鑑。 -
- ジョディ・クロフォード
大統領補佐官。
アーマードコアシリーズにおけるオペレーター的存在だが、その言動は色々な意味で過激。四文字言葉もピー音なしで平気で口にしてしまう。
ゲーム中の各作戦名は彼女によるものだが、そのネーミングセンスはいずれも素敵性能に優れる。こんな彼女だが、ペンシルバニア大学政治学部首席卒業らしい。 -
- ピーター・マクドナルド
マスゴミ。DNN所属のニュースキャスターで、報道ヘリからメタルウルフを追跡しながら、クーデター側寄りの偏向報道を撒き散らす。
しかしあるミッションでメタルウルフ=大統領にこそ正義があることに気が付き態度を一変、「かねてから主張していた通り」大統領賛美に廻る事に。しかも、それまでの自身の報道内容を省みる事なしにである。もっとも、気づいた後は彼の日記上で大統領に対して反省の弁を述べており、全く反省していないわけではない。また、気づいた後の日記の内容は、回想という形で各ステージでの締めに使われている。
彼の搭乗する報道ヘリはミッション中に撃墜する事も可能。しかしこれが、軍の攻撃ヘリ以上の耐久力を持つ上に、撃墜しても当人は脱出して、すぐに別のヘリで復活してくる。 -
- ジョン・スミス
通称『ナイスミドル』。
過去は伝説的傭兵、今は反副大統領レジスタンスのリーダー、平和な時はただのコック。
メカニック
この作品に登場する兵器は主に、現用兵器及び超兵器の皮を被った鉄塊と『特殊機動重装甲』という歩行兵器、そして大統領の三つに分けられる。
『特殊機動重装甲』(Spacial Mobile Armor)とは一種のパワードスーツであり、そのサイズは大型機でも6m程度。しかしこれによって戦場の主役は再び兵士となった。大統領専用機であるメタルウルフも一応これ。
- メタルウルフ
大統領専用機としてプレジデントフォースによって開発された特殊機動重装甲。恐らくサイズはATやTA、KMFと同程度以下(作中のグラフィックより、M1エイブラムスとほぼ同程度の全高と推測される)。ただし搭乗者のテンションと作中で挙げた戦果は他の追随を許さない。背中のコンテナ(四次元ポケット)を駆使して敵機を穴あきチーズやローストチキンに仕立て上げることも可能。
一応、扱う武器はM134ミニガンやM4カービン、M2カールグスタフなど、概ね実在するものがベースとなっているが、特殊機動重装甲用の改修が施されているためどう考えても威力と大きさがおかしい。 - 武器スケールをメタルウルフのサイズに合わせているせいか、武器のサイズが背面コンテナの容量を軽く無視している事が殆ど(しかしそれを指摘してはならない)。フロムゲーお約束のMOONLIGHTも「高火力・長距離・エネルギードカ食いの光波」を放つバズーカとしてしっかり背負っているほか、オーバーテクノロジーな武器がちょいちょいあったりする。
- 特殊機動重装甲・リチャードモデル
- 副大統領専用機としてあしらわれた特殊機動重装甲。ホワイトの装甲と頭部カメラと同調して発光するセンサー群(襟に当たる箇所に搭載)が特徴的で、メタルウルフと同様に背面コンテナへの武装格納とバースト攻撃が可能。だが胸部にも内蔵式キャノンが搭載されている為、実際の火力はメタルウルフを上回るとされる。
- アルカトラズ砲
アルカトラズ島に設置された超巨大レールガン……と、そのまんまなネーミングセンスは副大統領による。 - M1A2エイブラムス
言わずと知れた米陸軍の誇る主力戦車……なのだが、大統領にかかれば華麗に着地されたり、穴あきチーズにされたり、空高くリフティングされたりと、実に散々な扱いを受けてしまう。 - AH-64Dアパッチ・ロングボウ
強力なチェーンガンと対戦車ミサイルを装備した米陸軍の誇る攻撃ヘリ……なのだが、あまりにも相手が悪すぎた。
本作以後、フロム・ソフトウェア作品では常連となっており、ネクストに武装を出張配達したり、東京に舞い降りたNINJAを支援したりしている。作品によって頭上の鏡餅はあったりなかったりまちまち。
メタルウルフカオスXD
本作は日本のみの発売でプラットフォームもXbox限定だった為、後継のXbox360でもプレイ可能になること、あるいは続編や移植が長らく望まれていた。
2018年6月に開催されたE3において、リマスター版の「メタルウルフカオスXD」が、約14年もの時を経て遂に発表された。プラットフォームはXboxOneに加えてPlaystation4、PC(GOG/Steam)と大きく拡充している。2019年8月より配信が開始された。
公式サイトのドメインは「MechAmericaGreatAgain.com」。これはドナルド・トランプ大統領の掲げるスローガン『Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大にしよう)』をちょびっとだけ変えた代物である。
ニコニコ動画での反応と海外の反応
2008年10月14日にEAのRTSゲーム「Red Alert 3」のPVに「外人が想像したとてつもない日本が出てくるゲーム」とタイトルを付けた動画が投稿され、登場する日本(がモデルの国)のあまりの破天荒さからランキングの1位を飾る。
そのブームの冷め切らぬ2008年10月20日、先の動画と逆のタイトル「日本人が想像したとてつもない米国が出てくるゲーム」を付けた「メタルウルフカオス」のPVが投稿され、勢いに乗って一躍知名度が上がることとなった。直後にはYoutubeでの反応を紹介する動画も投稿されている。
関連動画
作品名のメタルウルフカオスで検索するだけでなく、大統領で検索すれば大抵の関連動画は見ることが出来る。
プレイ動画の数も単発の作品として見ると決して少なくはない。
普通にプレイしているものだけでなく、ロケット花火やシャボン玉を駆使して戦うネタプレイ動画もあり。
どちらかと言うとACfAの動画だが、こういったネタ動画もあり。
関連商品
関連リンク
- Xboxゲームレビュー「メタルウルフカオス」2005.1.13
- すべてはジョークから始まった!Devolverによる『メタルウルフカオス』復活の経緯とプレイレポ 2018.6.15
- METAL WOLF CHAOS XD -メタルウルフカオス-
関連項目
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