最高に嬉しいアナウンス: Rich Chen(ex-Google)のはてな参画

こんなことをアナウンスできる日がこんなに早く来るなんて思っても見なかった。今日は本当に嬉しい日だ。このアナウンスが、今後のはてなにとってどのくらい大きな意味を持つかは、ネットビジネスのプロ筋の人達には説明の必要もなかろう。
Richard ChenのHatena Inc.取締役就任に関するお知らせ

Richard Chenは、Hatena Inc.に参画する前は、2002年より約5年間にわたり、Google社シニアビジネスプロダクトマネージャーとして、日本市場戦略立案・事業構築についてのGoogle米国本社サイド責任者として指揮を取り、2007年1月にGoogleを退社しました。

僕が初めてRichに会ったのは、2003年5月のことだった。Googleがまだ500人くらいで、日本法人をさあこれから立ち上げるぞ、という時期だった。以来、Richは、急成長するGoogleの中心人物の一人として、寝食を忘れて走り続けてきたという稀有な経験を持つ。
Rich(日本育ちのRichは完璧な日本語を話す)は「いやGoogle本社は、組織ががっちりしていないから、本社サイドの日本責任者というのは厳密には決まっていないんですよ」なんて謙遜するけれど、ほぼすべての日本案件は彼がCEOのEric Schmidtや創業者のラリーやサーゲイに報告してきたわけだし、僕にとっては「GoogleといえばRich」と、彼をいつも思い浮かべていた。
いつか、Richのような「ネット世界での最先端での経験と人脈を持った現役」と一緒に仕事をできる機会があったらなぁと思い続けてきたが、こんなに早くそれが実現できるとは・・・・・。
二十代中心の若いはてなの社員たちがRichの人柄に触れ、彼らにRichの経験や見識が伝わることで、それが皆にとっての成長の糧になるに違いないということが何より嬉しい。Richは僕と近藤のちょうど真ん中くらいの年齢で、それも何と言うか、今のはてなとは理想的なフィットである。
最近、これまで以上に真剣に一つ一つのことに取り組んでいるような気がする」で書いたような、創業者・近藤の「必死になって生きている狂気」みたいなものがRichに伝わり、その結果、Richは「はてな参画」に「YES」と言ってくれた。
ベンチャーは「人」がすべてである。どんなベンチャーにも「勝利の方程式」など存在せず、日々苦しみながら軌道修正を続けていく日常では、本当に「人」「チーム」がすべてである。
近藤から「シリコンバレーに移住して、ここから世界を目指したい」と相談を受けてからもう一年以上がたつが、僕だってぜんぜん入り込めていない「シリコンバレーのディープな世界」への近藤にとっての水先案内人として、最初にシリコンバレーの誰を口説き落とすべきかは、僕の頭痛の種であり続けてきた。しかしその方向に向けての理想的な第一歩を、これから踏み出すことができる。それが本当に嬉しい。