ミニマルテクノの系譜を自分なりに紐解いてみる
http://d.hatena.ne.jp/inumash/20081020/p1
http://d.hatena.ne.jp/d0d1e/20081021
こちらの記事に触発されてしまったので、これを機会に自分でも一度知識を整理しとこうかなと思います。
テクノを聴き始めて10年近く経つので、なんか自分を振り返る意味でも面白そうだし。
http://kanasoku.blog82.fc2.com/blog-entry-8859.html
↑こういうの見ると、やっぱ曲がりなりにもガチでテクノと向き合ってる人間としては一言物申したくなるってもんだぜ!Strings of Lifeを1000回聴いてから出直して来い
とりあえずYouTubeで見つかった曲をベタベタ貼っていきます。
追記(08/10/23):若干加筆・編集を加えました。
原始(〜1988年)
ここで述べるのは、あくまでフロアで機能する音楽としてのテクノの起源って事で、シュトックハウゼンとかジョン・ケージとかクラフトワークとか、そういうのは除外します。
で、リカルド・ヴィラロボスの言葉を真に受けるなら「テクノはハウスの一派生に過ぎない」ということで、やっぱりシカゴハウス、とりわけアシッドハウスには後のミニマルテクノの萌芽を感じさせる要素が多大にあると思ってます。リッチー・ホウティンも最初はアシッド作ってたしね。
■ Mr. Fingers - Washing Machine (1986)
■ Phuture - Acid Tracks (1987)
■ Mike Dunn - Magic Feet (1988)
黎明期(〜1991年)
Richie Hawtin
この人が居なかったらミニマルの隆盛はなかった。
作る曲もそうだけど、この人はそれ以上にDJ MIXによるプロダクションの価値が高い。
Jeff Mills
超重要人物2。ミニマリズムの伝道師。テクノ好きなら誰でも知ってる。もし知らなければ速攻ググれ!殴られるぞ
URでの活動もさることながら、ミニマル的に価値が高いのはやっぱりAxisやPurpose Makerからの諸作品群。
■ Jeff Mills - The Bells (1997)
■ Millsart - Step to Enchantment (Stringent) (1993)
■ Purpose Maker - Reverting (1995)
■ Jeff Mills - Changes of Life (1992)
最近出したX-102のリメイクアルバムが、全然変わってなくてよかった!
Maurizio
陰に隠れがちだけど、モーリッツの功績もやっぱり大きいのではないかと。
ホントみんなかけてたし。むしろ今もかけてるし。
Suburban Knight
id:kokoroshaさんに指摘を頂いたので掲載します。ミニマルの原点はデトロイトテクノ説。
■ Suburban Knight - The Art of Stalking (1990)
■ Suburban Knight - The World (1990)
この2曲裏表だから、いつもどっちがどっちだかごっちゃになるんですが、多分これであってるはず。この人がこういう音作ってたのって、ジェフやドレクシヤなんかよりも全然先なんですね・・・勉強になりました。
Aril Brikha - Groove La Chord (1998)
この曲も実は結構ミニマルですよね。
1994年 〜
これ以前はHardfloor、Sven Vath、あとR&SのCJ Bollandとかのレイビーテクノが主流で、ミニマルといえるテクノはあんまりなかった。Richieがアシッド作品を中心に出してるときに、たまにミニマルっぽいの出してたくらい。
で、Dave Clarkeの「Red 2」以降に、ようやくミニマルと呼べそうなテクノが出てくると。
この辺はリアルタイムでは体験してないのであまり詳しいことは言えないですが。
■ Dave Clarke - Wisdom To The Wise
■ Planetary Assoult System - Diesel Drudge
■ The Advent - Sound Sketches 3
■ Ken Ishii - Extra (Luke Slater Remix)
ケニシイの全盛もこの頃かねえ
1997年 〜
Adam Beyer率いるDrumcodeをはじめとしたスウェディッシュテクノ勢の台頭。硬質なリズムと細かく刻むハット、エッジの強いシンセの上ものが特徴。
スウェーデン勢につられて、イタリアのGaetano Parisio、Marco Calora、ちょっと毛色が違うがスペインのCristian Verelaなどのヨーロッパ勢がテクノシーンを引っ張っていました。
■ Gaiden - Point Blank (Speedy J Remix)
■ Thomas Krome - Bitches from Hell
この曲はリミックスもやばいぞ。トーマス・クローム、今何やってんのかねえ・・・
■ DJ Rush - Get on Up (Chris Liebing Remix)
■ Chris Liebing - Analogon (Speedy J Remix)
■ Cari Lekebusch - Jon's Secret Technique
カリレケを忘れてた。この人はスウェーデン勢の中では一番とんがってるな
■ Joel Mull - Safety Session A2
この人も。Code Redからの作品は全部かっこよかった
1999年 〜
Purpose Makerのフォロワー的な、パーカッション音をふんだんに取り入れたミニマルが主流になってくる。
イギリスのBen SimsやOliver Ho、Mark Bloom界隈が非常に目立っていた。
■ Ben Sims - Manipulated (Adam Beyer Remix)
通称:生パン粉
■ Oliver Ho - Seduced
オリバー・ホーは今はミニマル作ってますが、それは本当の姿ではありません
■ Cave - Street Carnival
途中のブレイクまで我慢して聴いて
■ Paul Mac - Cards on the Table (Ben Sims Hardgroove Remix)
■ User - 06 A1
この時代のテクノを語るにはこのレコードが欠かせない
■ Surgeon - La Real
これがカウンターバランスから出たのはちょっと驚いた
■ Marco Carola - 7th Question A1
これは今でも全然いける♪
■ Aztec Mystic - Jaguar
ミニマルでもなんでもないけど青春の曲なんでw
2002年 〜
ファンキーハードミニマル全盛。っていうかすでにミニマルじゃない。BPM140越えも上等の世界。
自分のレコード買いっぷりがピークだった頃です。こういうレコード山の様に持ってます。そして埃被ってます。
■ Renato Cohen - Pontape
俺この曲ガチで100回以上聴いたかもしんねえ
■ Max Walder - Samba Del Costa
■ Tim Track - Track It Back (Hertz Remix)
Hertzは一世を風靡した
■ Len Faki - Just A Dance
Len Fakiは今はミニマル作って(ry
2005年 〜
みんな派手な音に飽きてくる。2004年後半辺りはシンセメロが強い曲とかが流行ってた気がする。Vince WatsonとかFunk D'Voidとか。しかしそれはファンキーテクノの断末魔。
■ Vince Watson - Aurelon
ローラン・ガルニエのMixCDでメチャ感動的にミックスされてたのを思い出す・・・
2005年中期くらいを境に、今までハードな音をやってた連中が音が少ないクリッキーなミニマルスタイルに移行していき、そこからはあっという間にシーンがミニマルに埋め尽くされた。シュランツの祖Chris Liebingまでもがミニマルをやるようになったときは、さすがにどうかと思った。
James HoldenのBorder Communityとかも流行ってたし、いろんなタイミングが重なってこうなったのかな〜(その時期に流行っていたドラッグと相性が良かったから、なんて嫌な噂も聞きますけどね・・・)
■ Adam Beyer - A Walking Contradiction
リッチーのPlusからリリース。ベイヤーがミニマルに行くのを見てみんな追従した感もあった
■ Cirez D - Knockout
コーロンミーの人Eric Prydzも実はテクノのミニマル化にかなり貢献したなー
■ Ricardo Villalobos - Easy Lee
■ Robag Wruhme - Wortkabular
ドイツのテクノはずっとマイペースだったけど、この辺りで世界の主流と音がマッチしてきた
自分はここから2年くらいのテクノの主流にどうも馴染めず、しばらくハウス方面に逃げてました。
しかしサージョン先生は流行りなんぞ物ともせず頑張ってた。
■ British Murder Boys - Learn Your Lesson
■ British Murder Boys - Rule By Law
好き過ぎるので2曲
BMB名義の作品は全部持ってるんですが、残念ながら相方のリージスが脱退してしまったとか・・・
補足:ヨーロッパ勢の中で一番最初にミニマル化したのはMarco Carolaだったかも。
http://www.cisco-records.co.jp/html/label/L243/labelL24374_0desc.html
この辺の作品群で。
2006年 〜
一時期はトランスに迫りそうだったBPMも120台まで落ち着いてきて、いわゆる「テックハウス」スタイルの曲が増えてくる。ハウスも流行がテクノ寄りになってきて、なおさらクロスオーバー感が高まってくる。
■ Ame - Rej
これは外せない。200回は聴いた
■ Theo Parrish - Falling Up (Carl Craig Remix)
おっとっと、これもあった。出たのはもっと前だけど流行ったのはこの頃だったような
Poker Flat
ドイツのSteve Bug主催のレーベルで、1999年設立。00年前後のハードテクノ全盛時代において、脇には目もくれず自分たちの音を貫いてきたのがこの辺りで報われてくる。コンスタントにヒット作を出してくる注目レーベル。
■ Steve Bug - Loverboy
レーベル1発目にして自身の代表曲
■ Martin Landsky - Sweet Sweet Morning
■ Phonique - The Red Dress (Tiefschwarz Remix)
■ Argy - Love Dose (Luciano Remix)
■ Trentemoller - Polar Shift
コイツが世に出てきた時はビビった、そして当然の如くビッグになった
Get Physical
M.A.N.D.Y.主催のレーベル。2002年設立。
「Body Language」がめちゃヒットして注目を浴びる。何かのアワードで「Track of the Year」をもらってたはず。その後も良作を連発してシーンの最重要レーベルに。
■ M.A.N.D.Y. vs. Booka Shade - Body Language
■ Booka Shade - Mandarine Girl
■ Samim - Heater
こういうネタモノはいつの時代もヒットするんですね
■ Rockers Hi-Fi - Push Push ( M.A.N.D.Y. Pusher Remix)
流行ったかは微妙なんですが好きな曲なんで
2007年 〜
みんなミニマルにも飽きてきて、曲調が分かりやすくなってくる。シンセ音などが適度に入ってきたり。
■ Audion - Mouth to Mouth
ミニマル期の数少ないアンセムの一つ。
■ Dubfire - Emissions
これは流行った
■ Radio Slave - Grindhouse (Dubfire Terror Planet Mix)
今年のWireではこの曲がアホのようにかかったらしいです
■ Deadmau5 - Not Exactly
テクノじゃないけど、デッドマウスの影響はいろんなジャンルに波及してた。デッドマウファイブではない
■ Len Faki - Rainbow Delta
変わってしまったレン・ファキ。良い曲なんだけどねw
■ Raudive - Here
変わってしまったオリバー・ホー。良い曲なんだけどねw
2008年 〜
生音をフィーチャーしたパーカッシブなミニマルが去年辺りからの流行。
ルチアーノのCadenzaやOslo、Cecilといったレーベルが牽引している。このレコードをきっかけに、これ系の良作が立て続けにリリースされたのが火付けになった。
■ Salif Keita - Yamore (Luciano Remix)
ヴィラロボスとかルチアーノは、やってる音は昔っから変わらないので、むしろ時代が追いついてきた感じ。
■ Andomat 3000 - Vertical Smile
■ Guillaume & Coutu Dumonts - Chapel
■ Sascha Dive - Deepest America (Samuel Davis Perc Mix)
■ Gel Abril - Spells of Yoruba
Be As One周辺のイスラエル勢も注目しとくべき